参院選の行方:「選挙の神様」久米晃氏が警告する自公過半数維持の「極めて難しい」情勢

新聞各紙が今月20日投票の参院選情勢を報じる中、自民・公明両与党の過半数維持は「微妙」との見方が多い。こうした中、「永田町の選挙の神様」と称される久米晃氏は、公示直前のインタビューで「自公での過半数確保は極めて難しい」と断言。選挙対策事務部長を長く務めた同氏の予測は、従来の楽観論に冷や水を浴びせるものだ。

選挙対策事務部長を長く務めた久米晃氏。「永田町の選挙の神様」とも呼ばれる選挙対策事務部長を長く務めた久米晃氏。「永田町の選挙の神様」とも呼ばれる

久米氏が語る参院選の厳しさ

久米氏は、自公による過半数(非改選含む最低50議席)確保は「極めて難しい」と断言。焦点の一人区で自民党が「過去最低記録を更新する」と予測し、比例代表も「12議席程度」との見方を示す。従来の「自公で50議席」という楽観論に「すごく楽観的だ」と警鐘を鳴らす。

この厳しさの背景にあるのは、自民党を支えてきた地方の「コアな支持層」の「怒り」だという。「昨年も今年も1票入れてくれと言えない」という地方議員の声が相次いでいる現状は、信頼回復の必要性を浮き彫りにしている。

政策不満か、自民党そのものへの不信か

参院選一人区は「風」で勝敗が決まる構造になったのは、平成元年以降のこと。候補者の努力以上に「自民党に対する信頼を取り戻さなければ」勝てないと久米氏は分析する。

2万円給付金に代表される「バラマキ合戦」が不評だが、久米氏は支持層の不満は政策だけでなく、「自民党の今の姿に納得がいかない」という根本的な感情にあると指摘。これが選挙情勢を厳しくする「風」を生んでいると見る。

「選挙の神様」久米晃氏の分析は、今回の参院選において自公両党が過半数を維持することは非常に厳しい課題であり、その背景には政策不満だけでなく、自民党そのものへの根強い不信感があることを示唆している。一人区の行方が全体の趨勢を決めるとの見方は、今後の選挙戦、そしてその後の政局に大きな影響を与える可能性を示唆していると言える。

出典:Yahoo!ニュース オリジナル記事