高校生の切ない同性友人への恋「話せない」悩みに鴻上尚史が助言

16歳の男子高校生が抱える、同性の友人への秘めた恋愛感情とその接し方に関する切実な悩み。この相談に対し、作家・演出家の鴻上尚史さんが自身の見解を示しました。特に、多くの人が経験するであろう「好きな人の前ではうまく話せない」という状況に光を当てます。

友人関係の変化と同性への想い

相談者である高校2年生の生徒は、中高一貫の男子校に通っています。彼は中学1年生の時に初めて同じクラスになった友人Aについて悩みを打ち明けます。中学1年の頃は普通に仲良く話せていたものの、2年生以降はそれぞれ別の友人ができて一緒に過ごす機会が減り、なんとなく気まずくなってしまったと言います。中学3年で同じクラスになっても状況は変わらず、高校で別のクラスになってからは接点もさらに少なくなり、話しかけにくさを感じています。

他の友人とは普通に会話できるにもかかわらず、Aとは何を話せばよいか全く分からない状態です。趣味も異なると感じているようです。メッセージで遊びに誘ったり、誕生日を祝ったりも試みましたが、素っ気ない返信が来るだけで会話が続きません。廊下で会っても、目を合わせることも挨拶することもなくすれ違うだけになってしまいました。

秘めたる感情とその葛藤

彼は、かつてのようにAと仲良く話せる関係に戻るにはどうしたら良いのか、あるいはAが動くのを待つべきかと問いかけます。そして、周囲に気持ち悪く思われるかもしれないという懸念を抱きつつも、Aに恋愛的な好意を抱いていることを告白します。女性にも好意を持つことがあるためバイセクシュアルだと自己認識していますが、Aと特別な関係になれなくても、せめて普通の友人のように笑い合いたいと願っています。

鴻上尚史さんが見抜く「好きになったパターン」

この切実な相談に対し、鴻上尚史さんは「なんだか、胸がキュンとしてしまいました」と、まず共感と人間味あふれる反応を示します。「話し下手というわけではなく、A以外とは普通に会話できるのですが、Aとは何を話せばいいのか分かりません」という相談者の言葉を引用し、これはまさに典型的な「好きになってしまったパターン」だと指摘します。

相談に乗る作家・鴻上尚史氏。高校生の同性友人への恋愛相談について語る。相談に乗る作家・鴻上尚史氏。高校生の同性友人への恋愛相談について語る。

廊下で会った際に目を合わせられず、挨拶もせずすれ違うという行動も、「好きになっちまったぜいパターン」の切ない典型例だと分析します。鴻上さんは自身が恋愛相談に答えるのが大好きだと述べ、この手の悩みに「キュンキュンする」とユーモラスに語りながら、相談が誰かを好きになった人が直面する普遍的な問題であると位置づけます。

鴻上氏の助言:待つだけでは何も始まらない

鴻上さんは、相談者が投げかけた「Aが動くのを待つ方がいいでしょうか?」という問いに対し、明確に「あまりお勧めしません」と答えます。その理由として、Aは現状では動かないだろうと断言。なぜなら、相談者がAに対して「情報」をほとんど与えていないからだと説明します。最近はほとんど会話しておらず、挨拶もろくにしていない、メッセージのやり取りも少ないという状況では、Aの方から「話そうか」と働きかけてくることは考えられない、と現実的な見通しを示しました。

この相談に対し、鴻上尚史さんはまず、受け身の姿勢ではなく、自ら働きかけることの重要性を説きました。相手からの反応を待つだけでは状況は動かない、という厳しいながらも現実的な視点を示しています。

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