元SMAPの中居正広氏(52)とフジテレビが設置した第三者委員会を巡る係争が、再び泥沼化の様相を呈している。中居氏側の代理人弁護士が14日、第三者委員会の調査報告書の対応について「再度」クレームを入れたことで、この問題は泥沼化している。中居氏のこれまでの反論を含めると、今回の指摘で5回目となり、両者間の溝は深まる一方だ。
問題の発端と第三者委員会の報告
事の発端は、2023年6月2日に中居氏と元フジテレビの女性アナウンサーとの間で発生したトラブルである。この件を受け、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会は、2024年3月31日に調査報告書を公表した。報告書では、関係者への聞き取りに基づき、WHO(世界保健機関)の定義を適用した上で、中居氏による「業務の延長線上における性暴力」があったと結論付けられた。1月にすでに芸能界を引退していた中居氏は当初、この結果に対し沈黙を保っていた。
中居氏側からの度重なる反論の経緯
しかし、2024年5月12日、約1カ月半の沈黙を破り、中居氏が反撃に転じた。中居氏側の代理人弁護士団は、第三者委員会のヒアリングに約6時間にわたり誠実に応じたにもかかわらず、中居氏の発言内容が報告書に反映されていなかったと主張。さらに、弁護士団が中居氏に詳細な聞き取りを行った結果、「性暴力」という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかったと述べた。中居氏側は性暴力認定に至った根拠や証拠開示を第三者委員会に要求したが、委員会側は「事実認定は適切だった」として証拠開示を拒否した。
その後も中居氏側は複数回にわたり反論を重ねることに。第三者委員会は「被害者に二次被害を与える危険性がある」として、交渉を打ち切っていた。だが、7月5日には4回目の反論がなされ、第三者委員会のパワハラや、調査報告書のデータファイルのタグに本件と無関係な法律事務所の略称が記録されていたことを理由に情報漏洩を指摘した。
度重なる係争が続く中、やつれた様子の元SMAP中居正広氏の姿
これに対し7月7日、第三者委員会は情報漏洩に関して回答。委員会のメンバーがその法律事務所と協働した際に使用した文書ファイルを流用して今回の調査報告書を作成したために、当該法律事務所の略称がデータファイルのタグに記録されてしまったと経緯を説明し、「法律事務所の関与は一切ない」と情報漏洩を否定した。
この回答を受け、中居氏側は14日、「他案件のファイルを流用する行為は、他案件の守秘義務のある情報を誤って流出しかねない重大な問題行為である」と改めて訴えた。
泥沼化する争いの背景と今後の展望
この一連のやりとりに対し、芸能記者は「一体何がしたいのか」とため息交じりに話す。「確かに第三者委員会は情報管理が杜撰であったことは事実だが、そこをいくら突いても中居氏の状況は何も変わらない。この重箱の隅をつつくような戦法に、中居氏側の苛立ちを感じる」と指摘している。
この争いが泥沼化する背景には、フジテレビ側の動向も影響しているようだ。関係者からの情報によれば、株主総会後に新たな役員たちから「このままでいいのか?」という不満が噴出したという。港浩一元社長、大多亮元専務に対する法的責任を追及するだけでなく、「生まれ変わった」フジの姿勢を示すため、中居氏本人に対しても損害賠償を求めて提訴する動きが本格化していると報じられている。
中居氏を巡る問題は、依然として終わりが見えない状況が続いている。