参院選終盤情勢:自民党苦戦鮮明、与党は過半数維持に試練

読売新聞社の最新調査と取材により、20日投開票の参院選終盤情勢が判明しました。自民党は選挙区・比例選ともに苦戦し、獲得議席は30議席台にとどまる見込みです。公明党と合わせても与党全体で参院過半数(125議席中50議席)維持が厳しい情勢となりつつあります。

自民・公明党の苦戦:過半数維持に黄色信号

自民党は今回の参院選で、選挙区選と比例選の両方で厳しい戦いを強いられており、獲得できる議席が30議席台にとどまりそうです。これは、同党が過去最低を記録した1989年(宇野内閣時代)の36議席を下回る可能性も浮上しています。

参院選 各党予想獲得議席一覧参院選 各党予想獲得議席一覧

特に全体の勝敗を分ける改選定数1の「1人区」32選挙区では、自民党が優勢とされているのは石川、福井、鳥取・島根、山口のわずか4選挙区のみにとどまり、選挙戦の序盤で優勢だった7選挙区からさらに減少しました。群馬、岐阜、奈良の3選挙区が接戦に転じ、東北、四国、九州地方の全ての1人区では、依然として激戦の状況から抜け出せていません。改選定数2以上の複数区においては議席確保が見込まれますが、大阪では全選挙区に候補者を立てた参政党に保守票の一部を奪われ、厳しい戦いが指摘されています。

公明党も、選挙区選と比例選の合計で、過去最低だった9議席と同水準にまで落ち込む状況が予測されています。埼玉や愛知など、特に注目される選挙区では、参政党を含む混戦の中で後れを取る展開が見られます。

野党各党の動向:立憲・国民の堅調と参政党の躍進

一方で、野党各党は勢いを増しています。立憲民主党は堅調な戦いぶりを見せており、1人区の岩手、長野、三重などでは優位な戦いを進め、比例選と合わせて30議席獲得も視野に入れています。

国民民主党は、引き続き勢いを維持しており、大幅な議席増が見込まれる状況です。同党が目標に掲げる「改選16議席以上」にも届きそうで、選挙区選と比例選の両方でさらなる上積みを狙っています。

参政党は今回の参院選で特に注目される党派の一つで、10議席を超える躍進が予測されています。東京では優位に立つほか、埼玉、愛知、大阪など複数の激戦区でも攻勢を強め、接戦を演じています。比例選においても多数の議席を確保する見込みです。

その他の党派予測

日本維新の会とれいわ新選組は、いずれも伸び悩む傾向にあります。共産党は、現在の改選7議席を割り込む可能性が指摘されています。一方で、日本保守党は比例選で数議席を獲得する見込みがあり、社民党も1議席の確保を視野に入れています。

今回の参院選終盤情勢は、自民・公明与党が過半数維持に試練を迎え、国民民主党や参政党など野党の躍進が鮮明となる展開です。7月20日の投開票結果が、今後の日本の政治勢力図にどのような変化をもたらすのか注目が集まります。

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