参院選が公示され、各党の特設サイトには党幹部や知名度の高い議員の遊説日程が並ぶようになった。参院での過半数維持に向け瀬戸際の戦いを演じる自民党も、総裁の石破茂首相以下10人程度の日程を掲載しているが、よく見ると様子がおかしい……。引っ張りだこのはずの高市早苗元政調会長(64)の名前がないのだ。
高市氏は石破首相と犬猿の仲。政権を助けるような全国行脚はしたくない――と逃げているわけではないようだ。7月3日の公示までに党公認候補約20人のもとを回り、公示後も全国を飛び回っている。
4日には、選挙戦の勝敗を分ける改選1人区で、与野党が激戦を演じる新潟選挙区の会合をはしごした。同県糸魚川市の総決起集会では「日本がもう一度世界の真ん中で咲き誇る」などと述べ、党と新人の女性候補への支援を訴えた。
高市氏は昨秋の総裁選では党員票で石破首相を抑えて首位に立った。これほどの人気を誇るなら、遊説日程を宣伝した方が「ポスト石破」を狙う本人にとってもいいはずではないか。
〈 この続き では、ステルス作戦を取った背景と党内に疑心暗鬼が生じている現状を解説しています。参院選に関しては、 議席数を完全予測した記事 も公開中〉
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年7月17日号