参政党・神谷宗幣代表、トランプ政権との関税交渉に持論展開:「日本人ファースト」と「哲学」の重要性

参政党の神谷宗幣代表(47)が15日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、トランプ米政権との関税交渉に関して自身の見解を表明しました。神谷代表は、トランプ前大統領の掲げる「アメリカ・ファースト」の精神と、参政党が参院選で掲げる「日本人ファースト」との共通点に触れながら、従来の交渉アプローチに疑問を呈し、国際政治における「哲学」の重要性を強調しました。

参政党の神谷宗幣代表がテレビ番組出演中にトランプ政権との関税交渉について語る様子参政党の神谷宗幣代表がテレビ番組出演中にトランプ政権との関税交渉について語る様子

トランプ氏の「相互関税」政策と交渉の現状

トランプ前米大統領は、貿易相手国・地域別に課す「相互関税」について、今年8月1日から日本製品に25%の関税を適用する方針を表明しています。交渉期限が迫る中、トランプ氏は13日、日本や韓国、欧州連合との交渉に関して「彼らは急速に方針を変えつつある」と述べましたが、その具体的な内容は明らかにされていません。この状況下で、日本政府が関税のパーセンテージ交渉に終始していると見られていました。

神谷代表が語るトランプ氏の「哲学」と国際政治のルール変更

神谷代表は、日本政府の関税率交渉に限定されたアプローチに対し、「それは違うのではないか」と以前から疑問を呈してきたと語ります。彼は、トランプ氏が単に関税率を操作しているのではなく、「世界全体の政治のルールを変えようと考えている」と分析。「彼がどういう新しいルールで世界の政治を動かそうと思っているのかをしっかり把握すべきだ」と主張しました。神谷代表によれば、トランプ氏がDEI(多様性、公平性、包括性)や脱炭素政策、移民の受け入れといった政策をことごとく覆しているのは、「ちゃんとした哲学がある」からだとし、日本はその哲学を理解し、パートナーとして協力する姿勢を示せば、関税交渉も円滑に進むとの見解を示しました。

「日本人ファースト」と「アメリカ・ファースト」の共通基盤

「アメリカ・ファースト」をスローガンとするトランプ前大統領に対し、参政党は参院選で「日本人ファースト」を掲げています。この共通点について問われた神谷代表は、「どこの国も自国ファーストであるべきだ」との考えを述べました。彼は、各国が国益をぶつけ合いながらも協力関係を築くためには、単に強い国に合わせるのではなく、それぞれの国が主権と国益を主張し、その上で妥協点を見出す必要があると説明。トランプ氏に「こびて交渉してもだめだ」とし、「自分たちはこういう哲学でこういう政治をやりたい、あなたの考えも分かる、だからこういうディールができないか、という話の持っていき方」をすべきだと、自身の交渉姿勢を語りました。

国際紛争と「力による支配」への見解

さらに神谷代表は、2024年6月の米軍によるイラン核施設攻撃についても言及し、「細かい条約を見たら違反はあるが(イスラエルとの紛争を)止めたということが大事。大きな戦争に発展させなかったことが大事」と肯定的に評価しました。日本テレビ解説委員長の伊佐治健氏から「世界が力による支配によって変わっていく懸念はないか」と問われると、神谷氏は「それは昔から力でやってますよ。大東亜戦争だって力で負けているわけですから」と返答。「いつの時代も力で政治は行われていて、今まで力を使わずに政治をやってきたわけではない」と述べ、トランプ氏の行動を「特異なことをやっているとは思わない」との見解を示しました。また、ロシアによるウクライナ侵攻についても、「戦争には必ず両方に言い分がある。大東亜戦争もそうです。日本にもアメリカにも言い分がある」と述べ、紛争における多角的な視点の重要性を強調しました。

番組には神谷代表の他、日本維新の会政調会長の青柳仁士氏、公明党政調会長の岡本三成氏も出演しました。

結論

参政党の神谷宗幣代表は、トランプ米政権との関税交渉を巡る議論を通じて、国際政治における「哲学」の重要性と、各国が自国益を主張しつつ協力関係を築く必要性を強く訴えました。彼の見解は、従来の外交交渉の枠を超え、国際情勢を動かす根源的な力学への深い洞察を示唆しています。「日本人ファースト」を掲げる参政党の視点は、今後の日本の国際戦略、特に日米関係の構築において、どのような影響を与えていくのか、注目されるところです。

参照

  • BS日テレ「深層NEWS」
  • スポーツニッポンアネックス (Sponichi Annex)