佐久間由衣(ゆい)が、“ビッチ(悪女)”を演じて新境地。この作品で、今年の東京国際映画祭の東京ジェムストーン賞を受賞した。
悪女といっても、ヒロインの荒井ひろみは、男たちに気のあるそぶりを見せて片端から袖にしてしまうだけ。清純で優等生の印象が強い佐久間には、むしろ適役だろう。
三木康一郎監督は、ラブコメ風の軽妙なテンポで物語を進めながら、次第にひろみの心の傷をあらわにする。森山未來(みらい)が演じる誠実な相手役は、その傷を癒やせるのか。驚いたことに監督、最終盤で結論を観客に委ねる。さて、どうなるか。
6日から東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7などで全国順次公開。1時間52分。(健)
★★★☆(★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)