参議院選挙結果:中韓メディアが懸念する「排外主義の台頭」と今後の日韓関係

日本の参議院選挙結果を受け、中国と韓国の主要メディアからは「排外主義の台頭」に対する懸念の声が上がっています。特に自公連立政権の過半数割れや参政党の躍進が、日本政治の今後や国際関係に与える影響が注目されています。

韓国の主要紙「朝鮮日報」は、今回の参議院選挙について、「反外国人、日本人ファースト突風」という見出しで報じ、自民党が参政党の躍進を適切に予測できなかったと分析しています。同紙は、石破政権への打撃が「日韓関係にも影響を予想される」とし、もし石破首相が辞任する事態になれば、両国関係が「さらに険しい局面に突入する可能性が高い」と指摘しています。また、SNSを背景とした参政党の躍進については、「欧米を襲った反外国人感情が日本列島にも上陸した」と伝えています。

岩本京子記者が韓国の参議院選挙報道について解説する様子岩本京子記者が韓国の参議院選挙報道について解説する様子

一方、中国共産党機関紙の「環球時報」は、日本の報道を引用しながら、「石破政権は厳しい戦いを経験した」と大きく取り上げています。自公が過半数を割り込んだことで、日本の政局は「混乱の時代に入る」と分析。参政党が躍進した背景には、「過去30年にわたる低成長とデフレが排外主義を後押しした」とする学者の見解を紹介し、日本が「政治・軍事大国化」へと向かう可能性に対し懸念を表明しています。

冨坂範明記者が中国の参議院選挙報道について説明する様子冨坂範明記者が中国の参議院選挙報道について説明する様子

このように、隣国メディアは日本の参議院選挙結果を単なる国内政治変動としてだけでなく、「排外主義」という観点から分析し、それが日韓・日中関係を含む国際社会に与える影響について慎重な姿勢を示しています。今後の日本政治の動向は、隣国との関係にも深く関わってくることとなるでしょう。

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