世間を沸かしたバツ3の叶井俊太郎氏との結婚から14年と半年。漫画家・くらたまに降りかかったのは、夫の死と、残りの人生をどう独りで生きるかという「新たな人生設計」だった――。
夫亡き後の日々の暮らしや感じたこと、そして新たな挑戦の日々を漫画とエッセイでお届けする(漫画はエッセイの最後に)。【連載第11回】
【前回の記事】「これには青ざめた」――広島・佐木島行き高速船に乗った50代女子2人がやらかした“痛恨のミス”…それでも島の人は温かく迎え入れてくれた
■手作りの朝食に舌鼓を打つ
同い年の友人ミカンが、ダンナを東京に置いて1人で広島県の離島佐木島(さぎしま)に移住したので、私と同世代の友人Mとで彼女のところに遊びに行きました。
初日は船から降り損ねて時間をロスしたこともあり、到着したのは夜中(前回の記事参照)。佐木島の宿泊施設鷺邸(さぎてい)で管理人のカツ子さんが作ったおいしい晩御飯を食べて、順番にお風呂に入りました。
鷺邸はもともとカツ子さんの実家だったところなので、いわゆる古民家です。
お風呂は地下にあるのですが、見たことがないほどの急階段で、手すりをしっかり握りしめながらそろそろと上り下りしました。ミカンはかなりビールを飲んだので心配でしたが、無事に入浴を終えて部屋に戻ってきました。
翌朝は、カツ子さんの手作りかぼちゃスープとパンなどの朝食に舌鼓を打ちました。赤くベリーっぽい、でも、食べたことのない味のジャムがあったので、カツ子さんに尋ねました。
「このジャムは何ですか?」
「ローゼルっていうんよ」
調べると“食用ハイビスカス”とも呼ばれるもので、ハーブティーなどにも利用されるスーパーフードのようです。カツ子さんお手製の、甘酸っぱくおいしいローゼルジャム。初めて食べるものに出会うのは、歳を重ねるほど稀になってくるので、うれしいものです。
■同じ日本なのに違う地のよう
朝食後は、カツ子さんとミカンの案内で島を回ります。
最初は鷺邸のお隣、数年前に移住して薪釜、ルーフバルコニーなどを自分たちで作ったというご夫婦のお宅を訪問。生憎不在でしたが、許可をいただき庭やパン窯、バルコニーなどを見学させてもらいました。






