元衆院議員の金子恵美氏(47)が22日、TBS系「ゴゴスマ~GOGO!smile~」(月~金曜後1・55)にコメンテーターとして生出演し、参院選での自民党の戦いぶりについて自身の見解を示しました。事実上の政権選択選挙と呼ばれた今回の参院選では、自公与党が非改選議席を含め、目標とした過半数の50議席を割り込み、合計47議席に留まりました。これにより、衆院に続く少数与党となり、惨敗から一夜明けた石破氏は謝罪しつつも続投の意思を表明しました。一方で、野党では国民民主党が17議席、参政党が14議席と大きく議席を増やし、存在感を示しました。
小泉進次郎氏「自民党が一番まし」発言の波紋と党の「弾」不足
自民党の選挙戦において、金子氏が特に気になった言動として挙げたのが、小泉進次郎農相の応援演説での「自民党が一番まし」という主旨の一言でした。金子氏はこの発言に対し、「小泉氏が選挙期間中に、『どの党よりも政権を担うのは自民党がましだ』という表現をした。それって本来は、有権者が『政権を担わせるならここがましだな』と言うのがあっても、為政者側が一番ましだというのはちょっとおかしいことだ」と疑問を呈しました。さらに、「それくらい、打ち出せるもの、自民党には弾がなかったというか、アピールできるものがなかった」と、具体的な政策やビジョンの不足を指摘しました。国民の生活が税負担の増加と物価高によって可処分所得が減少し、困窮する中、自民党は社会保障財源を理由に消費減税を頑なに否定し続けました。その代わりに打ち出した国民1人当たり2万円給付も、国民には響かなかったとされています。
TBS系ゴゴスマに出演し、参院選の自民党の戦いについて語る元衆院議員の金子恵美氏
トップのビジョン欠如が招いた敗北:他党との対比
選挙戦を戦う上でアピールするものが少なかった自民党について、金子氏は「応援弁士も困るし、党所属の候補者も困るくらい、トップのビジョンがなかったから」とし、経済の先行きに明るい見通しを示せなかったことが大きな要因であると指摘しました。一方、勢いのある野党からは、オリジナリティーあふれる訴えがあったと評価しています。金子氏は「片や、国民民主さんで言えば、手取りを増やしてくれるかもしれないとか、参政党さんはやや過激な発言もありましたが、エッジの効いたことを言って、何か変えてくれそうな気がするという、その違いだった」と、対照的な選挙戦略を比較しました。小泉氏の「自民党が消去法でまだまし」という発言については、「正直そりゃ選挙は勝てるわけないなと。選んでもらえるわけないなと思う」とバッサリ切り捨て、「それはすべて、ビジョンがトップになかったというのが敗因でもあると思っている」と述べ、石破氏の責任にも言及しました。
今回の参院選における自民党の「惨敗」は、党トップの明確なビジョンの欠如、国民の生活実態に響かない政策、そして「消去法」に頼る選挙戦略が複合的に影響した結果であることが、金子恵美氏の分析から浮き彫りになりました。今後の日本の政治において、有権者の具体的な期待に応える、より明確なビジョンの提示が与党に求められるでしょう。