Mrs. GREEN APPLEのメジャーデビュー10周年を記念したベストアルバム『10』がリリースされ、大きな話題を呼んでいます。TOKYO FMの人気ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK! ミセスLOCKS!」では、ボーカル・ギターの大森元貴さん、キーボードの藤澤涼架さん、ギターの若井滉斗さんがリスナーからの熱いメッセージに応えました。特に、CDという形での音楽体験の価値や、彼らの初期の名曲「慶びの種」に込められた想い、そして音楽業界の変化に対する彼らの見解が語られ、ファンの間で感動を呼んでいます。本記事では、その貴重な対話の様子をお届けします。
Mrs. GREEN APPLEボーカル・ギター大森元貴。メジャーデビュー10周年ベストアルバム『10』について語る。
リスナーからの感動的なメッセージ:CD体験と「慶びの種」への共鳴
メジャーデビュー10周年とベストアルバム『10』を祝福するメッセージが、16歳のリスナーから番組に寄せられました。彼女は「サブスクでしか音楽を聴いたことがなく、CDで聴くのは『10』が初めて」という貴重な体験を語ります。「パソコンに差し込んで、楽曲が再生されるまでの緊張感、再生中にいろんなライブやできごとがよみがえってくる感覚は初めてでした」と、CDならではの感動を表現。さらに、「一方的に聴いている」のではなく「ミセスが届けに来てくれている」と感じたという、バンドとリスナーの間に生まれる深い絆を象徴する言葉も。特に、初期のミニアルバム『Introduction』に収録された「慶びの種」への深い共感を述べ、「収録時のエピソードがあれば教えてほしい」と問いかけました。
メンバーが語るCDとサブスクの変遷、音楽の届け方
リスナーのメッセージに対し、大森さんは「CD初!『CD聴こうよ。』というキャンペーンが本当に届いた」と喜びをあらわにしました。若井さんも共感し、大森さんは今の若い世代がCDに抱く感覚を、彼らの世代がカセットなどに抱いた感覚になぞらえました。
大森さんは、デビュー当時を振り返り「サブスクが始まるか否か…という頃で、“ものづくりの職人にとってどうなのか”という論争が業界内にあった」と明かします。しかし、「時代が変わっていくから、そこにちゃんと力を入れましょう」と、音楽配信の多様性を受け入れた経緯を説明。「何周も回ってまたCDが届き、その意図もわかってもらって、逆にサブスクの良さも世間が証明してくれて、というのが嬉しい」と、現代の音楽消費の変化へのポジティブな見解を示しました。
「慶びの種」が示す10年の成長と新たな響き
メンバーは「慶びの種」にまつわる深いエピソードを披露しました。藤澤さんは、ミニアルバム『Introduction』収録時、大森さんの弾き語りだったことを回顧。「当時は『弾き語りすごいな』と。レコーディングに慣れていない時期だったが、『元貴が1人で歌って弾いて、最後までやりきってるよ……!』と。いつかこの曲を一緒に鳴らせるようになりたいな、と思っていた」と、当時の感動と未来への希望を語りました。若井さんも「アレンジもめちゃくちゃ素敵じゃないですか!」と絶賛。大森さんも「『フルオケ(フルオーケストラ)でやりたい!』って言って、こうなっちゃうってすごいよね」と、その壮大な変化に驚きを示しました。10年の時を経て、初期の想いが込められた一曲が、バンドの成長と共に新たな息吹を吹き込まれ、より豊かな響きをもってリスナーに届けられていることが伺えます。
Mrs. GREEN APPLEのベストアルバム『10』は、単なる楽曲集に留まらず、CDという媒体の新たな価値を再認識させ、リスナーとバンドの深い心のつながりを浮き彫りにしました。メジャーデビュー10周年を迎え、彼らが歩んできた音楽の軌跡と、変化する時代の中で音楽を届け続ける彼らの姿勢は、多くのファンに勇気と感動を与え続けています。
参考文献
- TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! ミセスLOCKS!」(2025年7月14日放送)