俳優の永瀬正敏(59)が24日放送のフジテレビ「ノンストップ!」に出演し、自身の俳優人生に大きな影響を与えた人物について語った。デビュー作で共演し、「この人やばい」と感じた相手は、当時「天才子役」と称されていた俳優の坂上忍であったことを明かし、そのプロフェッショナルな姿勢に受けた衝撃を振り返った。
俳優人生の原点:映画『ションベン・ライダー』での出会い
1983年の映画『ションベン・ライダー』でデビューし、今年で芸歴42年を迎える永瀬正敏。数々の国内外の作品に出演し、唯一無二の存在感を放ち続けている彼が、俳優としての道を歩む上で欠かせない存在として挙げたのが坂上忍だ。永瀬はオーディションで選ばれた素人同然の3人のうちの1人であったが、坂上はそんな彼らにも分け隔てなく接し、目線を下げて共に時間を過ごしてくれたという。この初期の経験が、永瀬の俳優としての基礎を築く上で重要な一歩となった。
永瀬正敏がフジテレビ「ノンストップ!」出演時に語る、俳優としての経験と学び
驚愕の「歯磨きシーン」が教えたプロの矜持
永瀬が坂上の「やばさ」を痛感したのは、ある歯磨きのシーンでのことだった。それは単に歯を磨くという場面に過ぎなかったが、坂上は撮影に入るずいぶん前から、一人で黙々と歯を磨き続けていたという。その熱心さは尋常ではなく、永瀬が目にした時には、歯茎から血が滲み出るほどであったと証言する。永瀬は、当時「忍く~ん」と気安く呼んでいた坂上が、役に入り込み、そこまでして演技を追求する姿を目の当たりにし、「俳優さんってやっぱり凄いんだな」と心底驚いたと語る。言葉ではなく、その芝居に対する態度や行動そのものが、「ああ、そうなんだ、こういうふうに映画って入って行くもんなんだ」と、永瀬に俳優としての心構えを教えてくれたと感慨深げに振り返った。
坂上忍が永瀬正敏に与えた無言の教え
坂上忍がデビュー当時の永瀬正敏に与えた影響は計り知れない。それは、単なる演技指導ではなく、プロの俳優としての姿勢、役への没入度、そして作品に対する真摯な向き合い方を、その行動で示した「無言の教え」であった。この経験は、永瀬正敏という俳優が、今日まで国内外で高く評価される所以の一端を垣間見せる貴重なエピソードである。坂上の徹底したプロ意識が、若き日の永瀬に与えた衝撃と学びは、彼の42年にわたる俳優人生の礎となり、その後の活躍に深く影響を与え続けたと言えるだろう。