天皇ご一家が愛用「かりゆしウェア」の深い背景:沖縄への想いとSDGsへの配慮

那須御用邸での静養を終え、天皇ご一家が7月23日に皇居へ戻られました。多忙な日々から一時離れたこの静養中、特に話題となったのは、ご一家がお揃いの「かりゆしウェア」を着用して那須御用邸内を散策されていた姿です。この「かりゆしウェア」は、単なる衣料品にとどまらず、沖縄への深い愛情と、惜しみない手間をかけて丁寧に作られた逸品。長年にわたり天皇ご一家がこのブランドを愛用される背景には、心温まるエピソードと持続可能性への配慮が隠されています。

那須での和やかな交流と「かりゆし」スタイル

那須御用邸でのご一家の散策中、皇后雅子さまが「モンゴルの自然も素晴らしかったですけれども、ここの那須の緑も素晴らしくて」と述べられると、天皇陛下は「あと、ユリがずいぶん」と応じられました。そして、7月の那須一帯に咲くユリに触れながら、雅子さまのシャツとご自身のシャツに描かれたユリ柄を指し示されました。雅子さまはそれを受け、「洋服も」とご自身と陛下の「かりゆし」シャツのユリ柄を指すと、陛下は笑顔の雅子さまに目線を向け、「ユリが」と楽しげなご様子。愛子さまは、息の合ったご両親の様子を微笑ましく見つめながら「私だけ(ユリ柄がない)……」とひと言。この和やかなやり取りは、ご一家の温かい絆と、飾らない日常の一コマを垣間見せるものでした。

那須御用邸をかりゆしウェアで散策される天皇皇后両陛下と愛子さま。那須御用邸をかりゆしウェアで散策される天皇皇后両陛下と愛子さま。

愛される「月桃物語」:沖縄への深い愛情と環境配慮

ご一家がお揃いで着用されていたのは、沖縄県の「かりゆしウェア」ブランド「月桃物語」が販売するシャツとワンピースです。これらの製品を製造する「パイプニット」(沖縄県うるま市)の販売担当者、大坪晃輔さんによると、天皇陛下と皇后雅子さまは、春に咲くユリと初夏のデイゴの花が描かれた「テッポウユリ柄」のお揃いのシャツを着用。これは今年発売された新シリーズで、メンズのボタンダウンシャツが税込12,100円、レディース用が税込9,900円で提供されています。

特に注目すべきは、その素材です。綿75%、化繊25%の混紡でありながら、化繊部分にはリサイクルポリエステル繊維が使用されており、地球との共存を意識したSDGs(持続可能な開発目標)に配慮した製品となっています。この環境に優しい素材選びは、ご一家が単なるファッションとして「かりゆしウェア」を選んでいるのではなく、その背景にある沖縄の文化、そして持続可能な社会への貢献といった深いメッセージに共感されていることを示唆しています。

完売続出、その背景にある共感

那須御用邸でのご一家の映像がニュースで報じられると、「月桃物語」のかりゆしウェア、特におふたりと同じ色の品は、瞬く間にほぼ完売状態となりました。これは、単に皇室が着用されたという話題性だけでなく、製品に込められた沖縄への敬意と、環境への配慮というメッセージが、多くの国民に共感を持って受け止められた証と言えるでしょう。天皇ご一家が示す、沖縄の文化や環境保護への深い理解と姿勢は、国民に新たな視点と価値観を提示し続けています。


参照元:
Yahoo!ニュース (記事元:AERA.dot)