田崎史郎氏が分析!与党過半数割れで日本の連立政権はどうなる?

衆参両院での過半数割れという状況に直面する与党は、今後の政権運営において連立パートナーの模索が喫緊の課題となっています。政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、テレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」に出演し、与党が最も組む可能性のある政党について詳細な分析を披露しました。日本の政治情勢が不透明感を増す中、その発言は注目を集めています。

国民民主党との連立交渉の壁

田崎氏によると、過去に岸田政権下で自民党は国民民主党との連立を二度にわたり模索し、直前まで話を進めていたと明かしました。しかし、国民民主党の玉木代表が最終的な決断に至らず、連立は実現しなかったとのことです。自民党側、特に麻生氏や茂木氏も国民民主党との連携を重視しており、その背景には自動車総連など、国民民主党の支持基盤である4つの主要な産別組織が持つ票への期待がありました。

それにもかかわらず、両党間には根強い不信感が存在します。国民民主党が「自民党は約束を守らない」と主張する一方で、自民党側からは「国民民主党こそ約束を守らない」という声が上がっていると田崎氏は指摘します。特に、ガソリン暫定税率を巡る協議がその象徴です。国民民主党が暫定税率の「廃止」を声高に訴えるのに対し、自民党は「時期を決めずに廃止を決定されたというのは心外だ」と感じており、この認識のズレが信頼関係構築の大きな障害となっていると説明されました。

日本維新の会が最有力候補となる理由

連立の可能性を探る中で、田崎氏は日本維新の会との間に「議員同士の信頼関係が強い」と強調しました。自民党と国民民主党の間で信頼感が低い現状とは対照的に、維新とは議員間の人脈を通じて強固な関係が築かれているといいます。参院選直後には自民党との連立を否定していた日本維新の会の吉村洋文代表ですが、その後、副首都構想実現に向けた法案作成と与党への提案方針を表明するなど、その姿勢に変化が見られます。

政治ジャーナリストの田崎史郎氏。衆参両院での与党過半数割れ後の政界再編について分析。政治ジャーナリストの田崎史郎氏。衆参両院での与党過半数割れ後の政界再編について分析。

田崎氏は、吉村代表が副首都構想を打ち出した動きを「大阪都構想」の事例に重ね合わせました。大阪都構想が自民党と公明党の協力なしには成立しなかったように、副首都構想の実現も与党の協力が不可欠です。この点から、田崎氏は日本維新の会が与党にとって最も連立しやすい環境を自ら作り始めている可能性を指摘し、今後連立パートナーとなる可能性が最も高い政党であるとの見解を示しました。

今後の政権運営と連立の展望

与党が衆参両院で過半数割れした状況下では、安定した政権運営のためには連立パートナーの獲得が不可欠です。田崎史郎氏の分析からは、国民民主党との間には過去の経緯や信頼関係の欠如という課題が残る一方で、日本維新の会とは議員間の信頼関係が深く、さらに吉村代表の戦略的動きによって連立への道筋が着実に整備されつつあることが浮き彫りになりました。

今後、自民党がどのような形で連立交渉を進めるのか、そしてどの政党と最終的に手を組むのかは、日本の政治の行方を大きく左右する重要な焦点となるでしょう。特に、副首都構想のような具体的な政策課題を突破口として、日本維新の会との連携が深まる可能性が最も高いと見られます。


参考文献: