トランプ氏とパウエルFRB議長の視察:ぎこちないやり取りがSNSで話題に

ドナルド・トランプ米大統領とジェローム・パウエルFRB議長の「ぎこちない」視察の様子がSNSで大きな話題を呼んでいます。金融政策を巡り長年対立してきた両者が、7月24日に改修工事中のFRB(米連邦準備制度理事会)本庁舎を視察した際、独特の空気が生じ注目を集めました。

ドナルド・トランプ米大統領が真剣な表情で演説する様子。FRB視察でのぎこちないやり取りが話題に。ドナルド・トランプ米大統領が真剣な表情で演説する様子。FRB視察でのぎこちないやり取りが話題に。

FRB本庁舎の改修工事と両者の背景

アメリカの中央銀行であるFRBは、ワシントンD.C.にある本部ビルの大規模改修を進めています。今回の視察は、トランプ氏とパウエル議長間の長年の緊張関係を背景に行われました。トランプ氏は過去にパウエル議長を「対応が遅すぎる」「解任したい」などと公然と批判しており、金融政策に対する両者の見解の相違は周知の事実です。

視察現場での「誤情報」とパウエル議長の事実確認

両者のぎこちない雰囲気は、CNNの生放送中に顕著でした。トランプ氏は手元の資料を読み上げ、パウエル議長に工事費の増額を指摘。「改修費はだいたい31億ドル(約4600億円)だ。少し上がった。いや、けっこう上がった。27億ドル(約4000億円)だったのが31億ドルになった」

これに対しパウエル議長は「それは聞いたことないですね」と即座に反論。トランプ氏が「今出たばかりの情報だ」と主張するも、「FRB内の誰からも聞いてませんよ」と譲りませんでした。

さらにトランプ氏が資料を差し出すと、パウエル議長は確認し、驚くべき事実を明らかにしました。「これ、マーティンビルの改修費も含まれてますよね?つまり3棟目のビルを追加している」

トランプ氏が「いま建てているビルだろ」と返すと、パウエル議長は冷静に「いえ、これは5年前に完成しています」と訂正。記者団の前で、トランプ氏の情報の誤りを明確に指摘し、正確な情報を提供しました。

この一幕の後、トランプ氏は話題を「ヘルメットを外すと気持ちいいな」と変え、ぎこちない雰囲気を和らげようと苦し紛れに試みました。

SNSでの大きな反響と世間の反応

このやり取りの映像は瞬く間にSNSで拡散され、多くのユーザーがその「ぎこちなさ」とパウエル議長の迅速な「ファクトチェック」に注目。

「パウエルさんの反応早すぎ」「証拠を持ってきたつもりが、偽物だった……」「トランプさんは墓穴を掘ったね」「パウエルは60秒でトランプの誤りをファクトチェックした」「もはやコント」といったコメントが相次ぎ、視察劇が一種の「コメディ」として受け止められています。

結論

今回のFRB視察は、長年にわたるトランプ氏とパウエルFRB議長間の緊張関係を如実に示す出来事となりました。公の場で誤った情報を提示し、即座に訂正される一幕は、両者の対立が今なお続くことを印象付け、今後の米国政治・金融政策の動向に注目が集まります。

情報源

BuzzFeed Japan, Yahoo!ニュース