米東部ニューヨーク市の高層ビルで4人が犠牲になった銃乱射事件で殉職した同市警の警察官、ディダルル・イスラムさん（36）の葬儀が7月31日、ブロンクス地区で営まれ、市民や同僚ら数千人が死を悼んだ。米メディアが報じた。
バングラデシュ移民でイスラム教徒のイスラムさんの柩（ひつぎ）は、モスクから運び出されると、同僚らに担がれてゆっくりと通りを進み、霊柩車に乗せられた。イスラムさんには2人の子供がおり、妻は3人目を身ごもっている。その姿が人々の涙を誘った。
市警のティッシュ本部長は、イスラムさんが巡査から1級刑事に特進したと発表。「彼の任期は終わったかもしれないが、彼が与えた影響は決して消えることはない」と述べた。
ニューヨーク州のホークル知事は「コーランは『人の生命を救う者は、全人類の生命を救ったのと同じである』と説く。イスラムさんが防壁となってくれたおかげで、今、他の人々が生きているのかもしれない」とたたえた。
事件は7月28日に発生。犯行後に自殺したシェーン・タムラ容疑者（27）は高校時代にフットボール選手だったことから、現場ビルに入居するプロフットボールNFLの事務局を狙った可能性があるとされている。
