参院選大敗で揺れる自民党:麻生氏の発言と国民の厳しい視線

2024年の参院選における自民党の大敗を受け、党内では石破茂首相の退陣を求める動きが勢いを増しています。党の重鎮である麻生太郎最高顧問が、派閥の会合で「衆院選で勝利できる体制を整えなければならない」と発言したと報じられ、その動向に注目が集まっています。しかし、いまだに大御所が政局を牛耳る自民党の体質に対し、SNS上では「この人は何様なの?」「もう本当に老害」といった冷ややかな意見が多数寄せられています。

参院選敗北と石破首相への退陣要求の波紋

先の参院選で自民党は39議席にとどまり、公明党との連立でも過半数議席を維持できない大敗を喫しました。これを受け、これまで裏金問題や旧統一教会との癒着などで冷遇されてきた旧安倍派などの勢力が、ここぞとばかりに石破首相への退陣要求を活発化させています。

7月28日に自民党本部で開かれた両院議員懇談会では、石破首相では次の衆院選を戦えないとの見方から、退陣を求める議員からの発言が相次ぎました。さらに、麻生氏は8月1日に開かれた派閥会合で、「次の衆院選で勝利できる体制を整えることこそ、今から我々が行っていかねばならない」と語ったと複数のメディアが報じています。しかし、麻生氏の発言に対してSNSでは「この人まだいたんだ」「引退したら?あなたでも勝てない」「自民党はもはやオワコンです。何故、危うさのある新興政党が、一定の国民の支持を得たのか考えて下さい」といった厳しい声が上がっており、党の現状と世論との間に乖離が生じていることが浮き彫りになっています。

麻生太郎氏が2024年衆院選で候補者を応援演説する様子。自民党内の影響力と衆院選への懸念を示す写真。麻生太郎氏が2024年衆院選で候補者を応援演説する様子。自民党内の影響力と衆院選への懸念を示す写真。

自民党青年局と「過激懇親会」問題の再燃

麻生氏はかつてネット上で高い人気を誇る政治家でしたが、今回の参院選大敗後、9月に85歳を迎える重鎮がいまだに党内で影響力を持つことに対し、世間からは冷めた反応が相次いでいます。一部の専門家は、参院選における自民党大敗の原因として、麻生氏を含む党右派、つまり旧安倍派を支持してきた有権者が自民党に見切りをつけ、参政党などの新興政党に票を投じた点を指摘しています。これは、石破首相への不満だけでなく、自民党そのものへの失望が背景にあることを示唆しています。

事実、自民党の若手議員への風当たりも厳しさを増しています。石破おろしの急先鋒として活動する自民党青年局は7月25日、首相に事実上の退陣を求める文書をまとめ、森山裕幹事長に提出しました。しかし、この動きによって、2023年11月に露出度の高い女性ダンサーを招いた「過激な懇親会」を開いた青年局の不祥事が再び批判の的となりました。現・青年局長の中曽根康隆衆院議員に対しては、「過激ダンスショーの責任をとって青年局長代理を辞任したんじゃなかったの?いつの間に青年局長になったの?」「他人に辞めろとか言うならまず青年局もそれなりの罰を受けてから言わなきゃ説得力がないな」といった非難コメントがSNS上に溢れる結果となり、党全体の信頼性にも影を落としています。

参院選での敗北は、自民党内部の権力闘争を激化させるだけでなく、国民からの厳しい視線を改めて党に突きつける形となりました。党の重鎮から若手議員に至るまで、その言動は常に国民の監視下にあり、今後の衆院選に向けた党勢回復への道のりは険しいものとなりそうです。


出典:ニュース掲載記事を参考に構成