橋本龍太郎元首相(享年68)の久美子夫人(83)が、3日放送のNHK「NHKスペシャル」(日曜後9・00)に出演し、夫と参加したサミットでのハプニングについて語った。
番組は「歴代総理の妻たちが証言 “権力の目撃者” 激動の時代の記録」と題し、首相経験者の妻たち6人にインタビューを行った。
龍太郎さんが首相在任中の97年6月、久美子さんは米コロラド州で開かれたデンバーサミットに帯同した。東西冷戦が終結後、ロシアが初めて参加したサミットで、緊張感漂う中での開催だった。
龍太郎さんも各国首脳と数々の交渉に出席し、神経をすり減らす時間が続いた。夕食会のショーの最中、ふと緊張感が切れた時にハプニングは起きた。
「居眠りしたんですよね。ちょっと寝ちゃまずいでしょうって、つついたりしたけど」と久美子さん。龍太郎さんがうつらうつらしている様子を、テレビカメラも映し出していた。
「会議の間はもの凄く気張って緊張しているし、もう本当に全精力を使い果たすから、自分がいち観客として何かを見るような立場だったら、コロって寝ちゃうんですよ」
そんな夫を陰ながら支えようとしたのが、久美子さんだった。エリツィン露大統領(当時)のナイナ夫人と交流。「やっぱり北方領土ですよね。ナイナ夫人はタチアナさんというお嬢さんがいらして、彼女がとてもよく通訳してくれて、一緒に美術館とか行きましたね」と明かした。
ロシアに対しては北方領土問題という永遠のテーマを抱えている。久美子さんは「我々が仲良くなれば、ご主人方の別の面を知ることができる。“夫人外交”と言えば大げさだけど、夫人の友好関係を持つということは、国にとってもいいんじゃないかって」と、当時を振り返っていた。