斎藤元彦兵庫県知事の公職選挙法違反疑惑に関連し、PR会社「メルチュ」とその経営者である折田楓氏が書類送検された問題が、同社のビジネスに深刻な影響を与えています。これまで地方自治体のSNS関連業務を数多く手掛けてきた「メルチュ」が、広島市と兵庫県の主要な行政事業から相次いで手を引く事態に発展。この一連の動きは、公職選挙法違反疑惑が行政契約に与える重大な余波を示唆しています。
斎藤知事の公選法違反疑惑とPR会社メルチュの書類送検
この問題は、斎藤元彦兵庫県知事の「出直し選挙」におけるSNS運用を巡る疑惑から始まりました。「メルチュ」の折田楓氏が、選挙後に「note」で選挙活動への関与を示唆する投稿を行ったことがきっかけです。斎藤知事側は、71万5000円を「メルチュ」にポスター制作費として支払ったことは認める一方、SNS運用は「斎藤陣営が主体的」であり、折田氏の関与は「個人のボランティア」と主張し適法性をアピール。
しかし、刑事告発を受け、兵庫県警と神戸地検は捜査を進め、2月には「メルチュ」など関係先への家宅捜索を実施。公職選挙法違反の疑いで斎藤知事と折田氏の2名を書類送検しました。疑惑が認められれば当選無効の可能性もありますが、知事は「折田氏個人の判断」という姿勢を崩していません。一方の折田氏は、テレビ取材に一度応じた後、「弁護士に答えるなと言われている」と述べ、公の場から姿を消しています。
斎藤元彦兵庫県知事とPR会社メルチュ代表・折田楓氏の肖像。公職選挙法違反疑惑で書類送検された両名が写る。
自治体事業からの撤退:広島・兵庫における「メルチュ」の現状
「メルチュ」は、過去に地方自治体のSNS業務で高い実績を誇り、令和2年度には兵庫県から「成長期待企業」として表彰されるほどの存在でした。特に広島市では、「SNS活用プロモーション業務」を2019年度から2024年度まで5年連続で受注しており、刑事告発後も業務を継続していました。
しかし、最新の状況では、広島市観光政策部の担当者によると、「令和7年度SNS活用プロモーション業務」の審査が完了し、株式会社中国新聞社が最優秀提案者に選ばれたとのこと。驚くべきことに、今回の入札に「メルチュ」は参加すらしていませんでした。
さらに、昨年度約1305万円で「メルチュ」が単独落札した広島県の「広島県SNS運用支援業務」についても、県庁担当者は「今年度から実施しないことになった」と説明。「メルチュ」は、かつて“総ナメ”状態だった広島・兵庫の主要な行政SNS事業から相次いで手を引くこととなりました。
今後の展望と教訓
斎藤知事の公職選挙法違反疑惑は、関係するPR会社「メルチュ」と代表の折田楓氏の事業に深刻な打撃を与えました。行政からの主要契約を失った「メルチュ」の今後の行方は不透明です。この騒動は、公職選挙法の遵守の重要性だけでなく、行政契約における企業倫理と信頼の確立が不可欠であることを改めて示唆しています。
参考資料: