8月29日に公開された二宮和也さん主演の映画『8番出口』が、日本のエンターテインメント界に新たな波を起こしています。世界的な大ヒットを記録したインディーゲームを原作とする本作は、その独特の世界観と予測不能な展開で早くも話題沸騰。特に、ゲームファンや映画愛好家の間で「あの不気味な地下通路はどこだ?」という疑問が広がり、現実世界に存在する“聖地”へと人々の関心が集まっています。この現象は、日本の日常風景が持つ非日常的な魅力と、ポップカルチャーが現実世界に与える影響を浮き彫りにしています。
世界を魅了する映画『8番出口』:カンヌ選出の背景
映画『8番出口』は、KOTAKE CREATE氏による同名のインディーゲームを実写化した作品です。累計販売本数180万本超を記録したゲームは、駅の地下通路で無限ループに閉じ込められた主人公が、「異変」を見つけたら引き返し、見つからなければ前進するというシンプルなルールの中で脱出を目指すという斬新なストーリーで世界中のプレイヤーを魅了しました。
映画版の監督は、『告白』『君の名は。』などの企画・プロデュースを手掛け、2022年には自身が監督・脚本を務めた『百花』で高い評価を得た川村元気氏。その手腕が光る『8番出口』は、第78回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「ミッドナイト・スクリーニング部門」に選出されるという快挙を達成し、国際的な注目を集めています。二宮和也さんの主演も相まって、本作は公開前から大きな期待が寄せられていました。
「不気味な地下通路」の正体:清澄白河駅の“異変”
映画のほとんどのシーンが地下鉄の通路を舞台としているため、先行公開された謎めいた予告動画を巡り、「どこで撮影されたのか」という憶測が飛び交いました。原作ゲームの作者が「一部参考にした」と語ることから、東京都江東区にある都営地下鉄の「清澄白河駅」がファンの間で“聖地”とされています。
特に注目を集めているのは、地下駐輪場へと続く「A3」出口付近の通路です。ここでは、本来であれば規則正しく配置されているはずの天井照明が、不規則な配列で並んでおり、これがまさに『8番出口』に登場する「異変」の地下通路のようだとして話題になっています。東京都交通局によると、この照明はパブリックアートの一部であり、意図的に不規則に配置されているとのことです。筆者がこの場所を訪れた際も、海外からの観光客が熱心に写真を撮る姿が見られ、その人気ぶりがうかがえました。ただし、映画のロケが清澄白河駅で行われたわけではないとされています。
映画『8番出口』の世界観を彷彿とさせる、東京都江東区の清澄白河駅にある地下通路。天井の不規則な照明が「異変」の雰囲気を醸し出している。
『8番出口』の世界を体験:東京メトロとのコラボ企画
映画の公開を記念し、2024年8月29日から11月3日まで、東京メトロとのコラボキャンペーンが開催されています。この企画では、作品の世界観を実際に体感できる体験型謎解き脱出ゲームに参加することが可能です。指定された地下鉄駅を巡りながら、「異変」を発見し、謎を解き明かすことで、『8番出口』の世界に入り込んだかのようなスリルと興奮を味わえます(参加には専用キットの購入が必要です)。
結論
映画『8番出口』は、革新的なゲーム体験をそのままに実写映画化し、観客を現実と虚構の境界へと誘います。清澄白河駅の「異変」の地下通路が示すように、私たちの身近な場所にも、作品の世界観と共鳴するような非日常的な空間が隠されているのかもしれません。映画と連動した東京メトロの謎解きゲームは、ただ鑑賞するだけでなく、自らが物語の一部となる新たなエンターテインメントの形を提供しており、日本そして世界のファンを魅了し続けることでしょう。この秋、あなたも『8番出口』の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。