韓国焼肉店で異物混入トラブル 客が飲食代半額主張し立ち去る

韓国・京畿道(キョンギド)の焼肉店で、料理への異物混入を巡り客が飲食代の半額のみを支払い立ち去るトラブルが発生しました。50代の男性店主はJTBCの番組「事件班長」で経緯を明かし、その不公平感を訴えています。この一件は、外食産業における顧客対応の難しさを浮き彫りにしています。

料理へのキッチンペーパー混入と客のクレーム

数日前、男性店主の焼肉店に男女3人組が来店し、焼肉10人前と酒10本を注文しました。会計時、男性客の一人が「玉ねぎの酢漬けにティッシュのようなものが入っている」とクレームを申し立てました。確認したところ、玉ねぎの水分を吸収するために使用していたキッチンペーパーが誤って一緒に盛り付けられてしまったことが判明しました。

店主は即座に謝罪し、「玉ねぎの保管時に使ったキッチンペーパーが混ざってしまったようだ」と説明。お詫びとして、追加のサービスを提供することを提案しました。

半額支払いを主張する客の対応

ところが、同行していた女性客は店主のサービス提案をきっぱりと拒否しました。「サービスは結構です。すぐに会計します。私も飲食業をしていて、玉ねぎをキッチンペーパーで保存するのは知っている。私の店ならこんな場合は食事代を全額返金する」と主張。さらに、「最近レビューもいいみたいですね」と、意味ありげな言葉を口にしました。

会計が20万ウォン(約2万1400円)だと聞くと、この女性客は「半額の10万ウォン(約1万700円)だけ払います」と言い残し、そのまま店を立ち去ってしまいました。

飲食代半額を主張された異物混入事案で、不満を訴える焼肉店の男性店主飲食代半額を主張された異物混入事案で、不満を訴える焼肉店の男性店主

店主の無念と専門家の見解

男性店主は、今回の客の対応について「いくら考えても納得がいかない。本当に半額にするほどの大きなミスだったのか」と悔しさをにじませています。キッチンペーパーの混入という異物混入ではあったものの、飲食代の半額を主張され一方的に店を去られたことに、店主の不満が募っています。

このトラブルに関して、心理学者のパク・サンヒ教授は「事情を説明しており理解も可能。サービスで十分だったはずだ」と店主の対応に理解を示しました。一方、ソン・スホ弁護士は「重大な異物混入ではないが、消費者側が状況をどう受け止めて対応するかが問題となるケースだ」と指摘し、消費者の受け止め方が争点となり得ることを示唆しました。

今回の事案は、飲食店における異物混入への対応と、客と店舗の間で起こりうる金銭的なトラブルの難しさを示しています。消費者トラブルとして、どこまでの対応が適切であるか、社会的な議論を呼ぶ可能性もあります。

出典:KOREA WAVE/AFPBB News、JTBC「事件班長」