今年の夏、日本列島を襲う異常な酷暑が続く中、8月30日、31日に放送される『24時間テレビ48-愛は地球を救う-』(日本テレビ系)で、SUPER EIGHTの横山裕(44)がチャリティーマラソンランナーを務めることが発表されました。この発表は大きな注目を集める一方で、年々厳しさを増す酷暑下での長距離マラソン企画に対し、ランナーの安全を懸念する声が多く上がっています。
異常な酷暑と熱中症警戒アラートの現状
近年、日本の夏は記録的な猛暑が常態化しており、今年の夏も例外ではありません。すでに8月5日には、群馬県、埼玉県、栃木県、東京都など広範囲で気温が40度以上に達すると予想され、東北から九州、沖縄の44都府県に熱中症警戒アラートが発表されました。世界最大規模の民間気象情報会社『ウェザーニュース』は6月24日時点で「8月末〜9月前半も、残暑が厳しい見込み」と発表しており、昨夏を上回ると感じられる今年の異常な暑さを考慮すると、マラソン開催時期の気象条件は非常に過酷なものとなることが予想されます。
今年の『24時間テレビ』でチャリティーマラソンランナーを務めるSUPER EIGHTの横山裕。猛暑の中での完走に注目が集まる。
横山裕の意気込みと過酷なスケジュール
このような状況下で、チャリティーマラソンランナーを務める横山裕は、非常に意欲的です。彼は昔から暑さに耐性があるとし、6月からすでに練習を開始していることを明かしています。目標走行距離は、2014年に城島茂(当時43歳)が『24時間テレビ』で達成した101キロを超えることを目指しているとコメントしており、これは旧ジャニーズタレントの最長記録です。
しかし、横山の抱えるスケジュールは非常にハードです。現在、全国11都市を巡るソロツアー『ROCK TO YOU』(7月26日〜)を開催中であり、『24時間テレビ』の時期にも、8月23日に青森公演、24日に宮城公演が予定されています。さらに、マラソンを走り終えたわずか2日後の9月2日と3日には、福岡公演に臨むという過密日程となっており、ランナーの健康状態への懸念が深まっています。
スポーツドクターが警鐘を鳴らすマラソンの危険性
昨夏にも『24時間テレビ』のマラソン企画に警鐘を鳴らした、五良会クリニック白金高輪理事長でスポーツドクター(日本医師会認定健康スポーツ医)の資格を持つ五藤良将医師に、現在の状況について話を聞きました。五藤理事長は、自身も市民ランナーとして東京マラソンを完走した経験を持つ専門家です。
極端な高温下での長距離走の医学的リスク
五藤理事長は、極端な高温下での長距離走について「身体の熱調節機能を限界まで酷使するため、医学的に極めて危険な行為です」と指摘します。特に気温が40℃を超える状況では、皮膚の血流増加や大量の汗によっても体温を十分に下げることが困難となり、最も重症な熱中症である「熱射病」を引き起こすリスクが著しく高まると警告しています。熱射病は意識障害や多臓器不全を招き、最悪の場合、死に至る可能性があるとのことで、昨年同様「死の危険性がある」と改めて警鐘を鳴らしました。
深夜帯走行の負担とアマチュアランナーへの影響
昨年、ランナーを務めたやす子さんが深夜帯を含め長時間走行したことに触れ、「暑い時期の場合、走るならむしろ深夜帯の方が日中に比べれば負担は少ない」と五藤理事長は述べつつも、これは「直射日光がない」という点に限定されると強調します。夜間であっても、気温が25度以上となる熱帯夜では、日中の熱が地面や建物に蓄積され、高湿度と相まって体温を効果的に放散することが非常に困難になるためです。
また、「10時間以上のような長時間にわたる走行は、プロのアスリートでさえ身体への生理的ストレスが非常に大きいものです。トレーニングを積んでいないアマチュアランナーにとって、これらのリスクはさらに高まりますね」と、長時間の走行がランナーに与える身体的負担についても言及しました。
まとめ
今年の『24時間テレビ』チャリティーマラソンにおける横山裕の挑戦は、その意気込みとともに、異常な猛暑という極めて危険な条件下での実行となります。医療専門家からの具体的な警鐘は、企画の安全性に対する社会的な懸念を一層強めています。視聴者に感動を与えるチャリティー企画であると同時に、ランナーの健康と安全を最優先に考え、万全の対策が講じられることが強く望まれます。
参考文献
- ピンズバNEWS: 『24時間テレビ』で横山裕と共演、“元カノ”女子アナのムチムチタイツでの体操姿
- Yahoo!ニュース: 今年の『24時間テレビ』で“マラソンランナー”を務める横山裕(SUPER EIGHT)(C)ピンズバNEWS