ホワイトハウス、オバマ氏肖像画を「目立たない場所」へ移動:トランプ氏の指示と政敵軽視

米ホワイトハウスにおいて、これまで入口近くに飾られていたバラク・オバマ元大統領の公式肖像画が、より目立たない場所へ移されたことが明らかになりました。この動きは、トランプ大統領と前任者であるオバマ氏との間に長年存在する緊張関係を色濃く反映しています。同時に、トランプ氏と対立関係にあるジョージ・W・ブッシュ元大統領、そしてその父であるジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の肖像画も同様に移動させられました。

肖像画移動の経緯と場所

複数の情報筋がCNNに語ったところによると、この肖像画の移動はトランプ大統領の直接的な指示によるものです。オバマ元大統領の肖像画は、ホワイトハウスの大階段の最上部という、訪問者の目には触れにくい場所に設置されました。これにより、日々ホワイトハウスを訪れる数千人もの人々がこの肖像画を目にする機会はほとんどなくなります。ブッシュ両元大統領の肖像画もまた、この階段エリアに配置されています。情報筋によれば、トランプ大統領はホワイトハウス内の美観に関わるあらゆる作業に、その規模の大小を問わず自ら深く関与しているとされています。

CNNが入手した写真からは、オバマ氏の肖像画が大階段最上部の隅、大統領一家の居住区に通じる踊り場に掛けられている様子が確認できます。このエリアへの立ち入りは、大統領一家やシークレットサービス、一部のホワイトハウス職員のみに厳しく制限されており、一般の来訪者がオバマ氏の肖像画を目にすることは事実上不可能となっています。ホワイトハウスでは、歴代大統領の肖像画を入口の最も目立つ場所に配置し、公式行事の出席者や見学ツアーの訪問者が自由に閲覧できるようにするという慣例が長らく続いていました。今回の移動は、この伝統的な慣例から大きく逸脱するものです。

オバマ元大統領の公式肖像画がホワイトハウスのイーストルームに展示されていた様子。今回の肖像画移動が注目される中で、この歴史的慣例が問われている。オバマ元大統領の公式肖像画がホワイトハウスのイーストルームに展示されていた様子。今回の肖像画移動が注目される中で、この歴史的慣例が問われている。

トランプ大統領と歴代大統領との確執

今回の肖像画を巡る一連の動きは、政敵と見なす人物を公然と軽視するトランプ大統領の姿勢を示す最新の事例と言えます。ここ数カ月間、トランプ氏とオバマ氏の間では特に緊張が高まっていました。トランプ氏は最近、オバマ氏とその政権関係者が2016年の大統領選挙期間中に反逆罪を犯したと非難しました。これに対し、オバマ氏側は異例の声明を発表し、トランプ氏の主張を「言語道断」かつ「異様」であり、「注意を逸らすための稚拙な試み」であると強く批判しています。

また、トランプ氏とブッシュ家の間にも長年にわたる深い確執がくすぶっています。2018年に死去したジョージ・H・W・ブッシュ元大統領は、自身の伝記の中でトランプ氏を「ほら吹き」と断じ、2016年の大統領選挙においては、トランプ氏の対立候補であったヒラリー・クリントン氏に投票したことを明かしていました。

まとめ

オバマ元大統領およびブッシュ元大統領らの肖像画がホワイトハウスの目立たない場所へ移されたことは、単なる配置換え以上の意味を持ちます。これはトランプ大統領が、自身の政治的ライバルたちに対する敵対心と、彼らを軽視する姿勢を明確に示す行為として解釈されており、米政界における長年の確執と緊張関係を浮き彫りにする最新の出来事と言えるでしょう。

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