韓国釜山:元恋人から壮絶暴行、抵抗せず耐えた女性の過去と「双方暴行」問題

韓国・釜山で元交際相手からの激しい暴行事件が発生。20代の被害女性が抵抗せず暴行に耐えた背景には、過去に警察から「双方暴行」と判断された経験があったことが報じられ、DV被害の複雑な側面が浮き彫りになりました。

駐車場での一方的な暴行と経緯

7月11日、釜山市内の駐車場で、30代の元交際相手の男性が女性に対し一方的な暴行を加えた。防犯カメラ映像には、男性が女性の頬を平手打ちし、頭部を何度も殴り、髪を掴んで引き倒し、倒れた女性を蹴るなど、残忍な行為が克明に記録された。

JTBC「事件班長」で報道された韓国釜山での元恋人による暴行事件の様子JTBC「事件班長」で報道された韓国釜山での元恋人による暴行事件の様子

被害女性は、偶然道で出会った元恋人に新しい交際相手ができたことを告げたのがきっかけと証言。その後、自宅に戻ると男性が駐車場で待ち伏せし、「交際中から浮気していたのか」と逆上し暴力を振るい始めたといいます。

抵抗を避けた女性の苦渋の選択:過去の「双方暴行」経験

映像中の女性は手で身を守るのみで、積極的な抵抗は一切見せなかった。この行動は、過去の苦い経験に起因する。以前、元恋人から暴力を振るわれた際、女性が抵抗したことで警察から「双方暴行」と扱われたため、今回は「何もせずじっとしていた」と明かした。

女性は交際中に少なくとも2度の暴力被害を受けており、以前自宅で通報したものの、男性が「自分も殴られた」と主張したため、事件は曖昧な形で処理されたという。

被害者の勇気ある告発と警察の対応

今回の被害映像を、女性はSNSに公開。「公開すれば、あの男が私に何もできなくなると思った」と、その切実な思いを語った。この壮絶な暴行で女性は両肘を骨折し、全治6週間の診断を受けた。

釜山海雲台(ヘウンデ)警察は、被害女性に対しスマートウォッチを支給し、加害男性を暴行容疑などで捜査を進めている。本件は、DV被害の実態と、被害者が抱える「双方暴行」問題の根深さを浮き彫りにした。

釜山で起きた元恋人による暴行事件は、被害者が「双方暴行」認定を避けるため抵抗を控えた衝撃的な事実を示した。これはDV被害者が直面する法的・心理的課題の複雑さを浮き彫りにし、被害者保護と支援強化、社会全体の認識向上が今後強く求められる。

参考文献

  • KOREA WAVE / AFPBB News (via Yahoo!ニュース)
  • JTBC「事件班長」