元NHK職員でジャーナリスト、社会起業家として幅広く活動するたかまつなな氏(32)が17日、自身のインスタグラムを更新し、長年のパートナーとの事実婚を発表しました。この発表は、個人の幸せを報告するだけでなく、日本社会における「選択的夫婦別姓」という重要なテーマに改めて光を当てるものとして注目されています。
たかまつ氏は、「ご報告」と題した直筆のメッセージで、愛するパートナーからのプロポーズを受け、結婚することになった喜びを伝えました。その上で、夫婦別姓を選択するために「お互いの苗字を変えたくなく、真剣に話し合い、事実婚にすることにしました」と、法的な婚姻ではなく事実婚という形式を選んだ理由を明かしています。
事実婚選択の背景と「選択的夫婦別姓」への訴え
たかまつ氏が事実婚を選んだ背景には、生まれ育った時から使い続けてきた「名前」に対する深い思い入れがあります。彼女は、「人生で一番ぐらい幸せな時のはずなのに、どちらかが我慢し、寂しい思いをするのに違和感を持った」と説明し、夫婦同姓を義務付ける現行制度への疑問を呈しました。
この決断を通じて、たかまつ氏は「選択的夫婦別姓の1日も早い実現を願っています」と強く訴えています。そして、「実現されたら、籍を入れるかどうかまた2人で話し合おうと思います。誰もが、自分の好きなように、それぞれの選択を尊重できる社会になりますように」と、多様な生き方が認められる社会への願いを込めたメッセージを送りました。この発言は、個人の選択が社会制度によって制約される現状に対する、ジャーナリストとしての問題提起でもあります。
パートナーへの感謝と今後の展望
発表では、たかまつ氏とお相手のツーショット写真も公開されました。たかまつ氏はパートナーについて、「本当に素敵な方です。人生で一番辛い時に、優しく寄り添ってくれました。本当に、心強かったです」と深く感謝の念を述べています。また、「私のダメなところも全て受け入れてくれる心の広い方です」と、その人柄を称賛。
自身についても、「パートナーと一緒にいる時の自分も好きです。自分にあまり自信がないのですが、いつも褒めてくれ、前向きな言葉をかけてくれるので、一緒にいると安心でき、ありのままの自分でもいいんだと思えます」と、パートナーとの関係が自己肯定感に繋がっていることを明かしました。さらに、「夢だった『大好きな人と政治の議論をして、イチャイチャすること』も、叶えることができました」と、飾らない言葉で幸せを表現しています。
たかまつなな氏と事実婚を発表したパートナーが手を取り合うツーショット
パートナーは一般の方だというたかまつ氏は、「街頭演説デートなどを見かけても、優しく見守っていただけたら嬉しいです」と呼びかけ、今後も「お互い支え合い、幸せいっぱいな温かい家庭を作っていきます」と結びました。
たかまつなな氏のこれまでの活動と社会貢献
たかまつなな氏は、フェリス女学院中学校・高等学校を卒業後、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科、東京大学大学院情報学環教育部を修了するなど、高い学歴を持つことでも知られています。ジャーナリストとしてだけでなく、社会起業家としても積極的に社会問題を発信し続けています。
特に、18歳選挙権の導入を機に、若者と政治の距離を縮めることを目指し、株式会社笑下村塾を設立。講演会やシンポジウム、ワークショップ、イベント企画などを通じて、教育とエンターテインメントを融合させたユニークな活動を展開してきました。2018年にはNHKにディレクター職として入局し、2020年7月に退局しています。
まとめ
たかまつなな氏の事実婚発表は、個人の幸せの形を提示すると同時に、日本社会が直面する「選択的夫婦別姓」という課題を、個人の体験を通して改めて提起するものです。彼女の決断とメッセージは、多様な価値観が尊重される社会の実現に向けた、一つの重要な声となるでしょう。今後のたかまつなな氏の活動と、彼女が訴える社会変革の行方に注目が集まります。
情報源: 報知新聞社 (2025年8月17日)