元参院議員の田嶋陽子氏(84)が17日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」に出演し、日本の長期にわたる経済停滞、通称「失われた30年」の原因について、自身の見解を力強く語った。番組では「戦後80年特別企画」として、日本の独立や戦後経済の変遷を巡る識者たちの議論が展開され、その中でこの「失われた30年」が主要な論点の一つとなった。
田嶋陽子氏がテレビ番組「そこまで言って委員会NP」で日本の失われた30年の経済停滞について持論を述べる様子
激論:「失われた30年」を巡る識者の見解
議論が白熱する中、軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、日本の工業力を生かした武器輸出が行われなかったことを経済停滞の理由として挙げた。これに対し田嶋氏は「男の人はこういう話をするよね」と痛烈に批判。井上氏が「男、女の話じゃない」と反論しても、田嶋氏は「いやいや、そうだよ」と譲らず、得意とする男女問題に絡めて持論を展開する姿勢を鮮明にした。
「女性の不払い労働」110兆円の衝撃主張
田嶋氏は、「失われた30年」の根底には男女間の不均衡があると主張。「この30年の経済停滞のことで一つ、やっぱり男の人たちは女の人たちに飯作ってもらって、パンツ洗ってもらって、子供産んでもらって、老人介護してもらって、それで仕事をしてきた。その女の人たち、国民の半分が…」と述べた。この発言に対し、ジャーナリストの田原総一朗氏が「そんな時代は終わった!そんな時代は終わった!」と猛烈に反論し、スタジオの議論は一時紛糾した。
しかし、田嶋氏は止まらず、「女性の不払い労働のお金はいくらだと思うの?110兆円を超えているのだよ。日本のGDPの4分の1に当たるの。それが女の人のただ働き。それをもし人を雇ったりしたら…」と具体的な数字を提示し、主張を継続した。周囲が制止を促しても、「たまにはしゃべらせなよ」と一歩も引かない姿勢を見せた。
法律か、意識か:女性活躍推進法への言及
元衆院議員の金子恵美氏は、2015年に施行された女性活躍推進法に言及し、「制度は変わってきていて、だけど先生がおっしゃるのは、意識ってことですよね?」と田嶋氏に問いかけた。これに対しても田嶋氏は「意識じゃない。法律が変わってないのよ」と即座に反論。女性の社会貢献に対する法制度の不備が依然として経済停滞の根源にあるという強い信念を示した。このやり取りにスタジオには笑いが起き、金子氏も頭を抱える場面が見られた。
まとめ
田嶋陽子氏の「失われた30年」に関する主張は、日本の経済停滞を単なる経済的要因だけでなく、根深い男女間の不平等、特に「女性の不払い労働」という側面から捉え直すという点で、非常に示唆に富んでいる。この議論は、日本社会が直面する経済問題とジェンダー平等の課題が複雑に絡み合っていることを改めて浮き彫りにし、今後の社会変革に向けた活発な議論の必要性を強く訴えかけるものとなった。
参考文献