[ワシントン 22日 ロイター] – ベトナムは中国などと領有権を争っている南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で埋め立て活動を大幅に拡張しており、その規模は中国による同様の活動を上回る公算が大きい。米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が22日公表した報告書で明らかにした。
報告書は最新の衛星画像に基づき、ベトナムは今年初め以降、2021年に開始した埋め立て作業で対象外だった8つの海域で新たに人工島の造成を進めていることが分かったとしている。
具体的にはアリソン礁、コリンズ礁、イースト礁、ランズダウン礁、ペトリー礁でしゅんせつや埋め立てが行われているという。
これらの活動を通じて、南沙諸島でベトナムが占拠している21の岩礁や干潮時だけ露出する地形全てが人工的な陸地を含む状態に拡張された形。4年前はその大半が孤立した小型の防御施設しか設置されていなかった。
報告書は「今年3月時点で、ベトナムが南沙諸島に構築した人工の陸地は中国の構築分の約70%に達しており、これら新たな8つの海域での埋め立て活動によってベトナムの構築規模は今後中国に並び、追い越しそうだ」と分析した。