共産党の田村智子委員長は25日の記者会見で、大音量でヘイトスピーチに対抗する手法について「そういう言動自体を聞こえなくする行動を市民の皆さんがやってきている。私は『これはある』と思う」とした22日の発言を撤回した。「市民の行動の是非についてコメントすることは適切ではない」と説明し、「先の発言はこの立場から見て適切ではない」と述べた。
田村氏は22日の記者会見で、参政党が8日に東京都内で行った街頭演説への抗議活動を巡る質疑の中で、大音量でヘイトスピーチに対抗する手法を容認した。この日の抗議活動では参加者が現場で煙を発生させるなどの過激な行動がSNS上で広がった。
田村氏は25日、川崎市などで外国人に行われてきた行為を「ヘイトスピーチ」と指摘し、「参政の街頭演説について述べたものではない」と説明した。
8日の抗議活動では党員を名乗る参加者が参政の女性議員に中指を立てる様子もSNS上で拡散された。記者会見では、こうした行為を容認するのか改めて問われたが、「市民の行動には党として、その是非をコメントする立場にはない」と繰り返した。
25日は当初、小池晃書記局長が記者会見する予定だったが、急遽、田村氏に変更した。田村氏は党が問題視する「極右排外主義」への対抗手段として、「『言論には言論で』を貫いていく」と強調した。