面接の「逆質問」で避けるべきNG回答と無難な質問【人事責任者が解説】

採用面接の終盤、「最後に質問はありますか?」という「逆質問」は定番中の定番です。この質問に対し、どのように答えるべきか悩む人は少なくありません。大手企業で人事・採用の責任者を務めた経験を持つ石倉秀明氏が、採用担当者がどのような視点でこの回答を評価しているのか、そして高評価を得るためのポイント、さらには絶対に避けるべきNG回答について解説します。

「最後の質問」で評価はほとんど決まっている

面接官が「最後に質問はありますか?」と問いかける意図は、候補者の意欲やコミュニケーション能力を確認することにあります。しかし、石倉氏は「正直なところ、評価はそれまでの時間でほぼ決まっている」と語ります。つまり、この最後の質問の答えだけで「一発逆転して採用される」ということは非常に難しいのが現実です。
この段階での目標は、ポジティブな評価を得ることよりも、それまでの良い印象を「マイナスにしない」よう気を付けることの方が重要であると心得ておくべきでしょう。

絶対に避けたい2つのNG回答

面接の終盤における逆質問は、慎重に対応する必要があります。特に以下の2つの回答は、採用担当者に悪い印象を与えかねないため、避けるべきです。

「質問はありません」は興味がないと見られる

最も避けたい回答の一つが「質問はありません」です。これは採用担当者に対し、「この会社や仕事に興味がないのではないか」「入社意欲が低いのではないか」という疑念を抱かせてしまう可能性があります。たとえ本当に質問がなくても、何かしら確認したい姿勢を示すことが肝心です。

面接中に話したことを聞き返すのはNG

もう一つ気を付けたいのが、面接中にすでに説明された内容をもう一度質問してしまうことです。あるいは、聞いた話を独自の解釈で再確認しようとする行為も避けるべきです。このような対応は「話を聞いていない」「理解力が低い」といったマイナス評価につながりかねません。コミュニケーション能力に疑問を持たれてしまうと、採用に大きく響くことになります。

採用面接のイメージ写真。ビジネスパーソンが面接に臨む様子。採用面接のイメージ写真。ビジネスパーソンが面接に臨む様子。

では、どんな質問をすれば良いのか?

では、どのような質問であれば無難で、かつマイナス評価を避けられるのでしょうか。石倉氏の経験上、「最後の質問が良かったから」といって不採用予定だった候補者が採用になったケースはほぼないといいます。エッジの効いた質問で一発逆転を狙うのではなく、素直に、自分がその職場で働くことを具体的にイメージしたときに、「確認しておきたいこと」を聞くのが最も無難な選択です。
例えば、「入社後、どのようなスキルアップの機会がありますか?」「チームの雰囲気や、新入社員へのサポート体制について教えていただけますか?」といった、入社後の具体的な働き方や成長に関わる質問は、入社意欲と将来への関心を示すことにもつながります。

まとめ:逆質問は「減点されない」ためのもの

採用面接の「逆質問」は、高評価を得るためのチャンスというよりも、むしろ「減点されない」ための重要な局面です。採用担当者に「興味がない」と思われたり、「話を聞いていない」と誤解されたりするような回答は絶対に避けましょう。自分が働く上で本当に知りたいことを素直に質問することで、無難に面接を締めくくり、良い印象を維持することが成功への鍵となります。

参考情報

本稿は、ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の連載をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』(石倉秀明著)の発売を記念した特別編です。

石倉秀明(いしくら・ひであき)
山田進太郎D&I財団 COO。2005年に株式会社リクルートHRマーケティング入社。その後、リブセンス、DeNA、起業などを経て2016年より株式会社キャスター取締役COOに就任(2021年より取締役CRO)。2023年10月の東証グロース市場上場に貢献し、2023年12月からは働き方について研究、調査を行うAlternative Work Labを設立し所長就任(現在も兼任)。FNN系列「Live Newsα」、AbemaTV「ABEMAヒルズ」レギュラーコメンテーター。著書に『これからのマネジャーは邪魔をしない。』(フォレスト出版)、『THE FORMAT 文章力ゼロでも書ける究極の「型」』(サンマーク出版)など。

Source: Yahoo!ニュース