(CNN) フランスが100年以上前にアフリカ南東部沖の島国マダガスカルから持ち去った3人の頭骨を、同国に返還した。この中には、フランス軍が斬首した19世紀のマダガスカル王の頭骨もあると推定されている。フランス文化省が26日に発表した。
フランスは2023年、遺骨の本国返還を実現するための法律を制定しており、今回の頭骨返還は同法に基づく初めての措置だった。
フランスは1890年代にマダガスカル西部でサカラバ族の王国を征服し、植民地化した。
マダガスカルは1960年にフランスから独立。今回返還されたのは、フランス軍が1897年に処刑したサカラバ族のトゥエラ王と、共に戦った戦士2人の頭骨と推定されている。
フランス国立自然史博物館の収蔵品として保管されていた頭骨は、26日に文化省で行われた式典で正式に引き渡された。
フランスと協力して遺骨の特定に尽力したマダガスカル文化省の高官は27日、「我々は遺骨のみならず、我が国の歴史と記憶の一部を取り戻すことができた」「これで本来あるべき形で遺骨を葬ることができる」とCNNに語った。
マダガスカル文化省によると、遺骨は同国西部のメナベに埋葬される。