国の財政を巡る喫緊の課題として、2026年度予算の概算要求で国債費が過去最高の32兆3865億円に達する見込みです。特に、足元で進む長期金利の上昇は、国債の利払い費を大幅に押し上げ、日本の財政運営に深刻な影響を与え始めています。本記事では、この国債費膨張の背景とそれがもたらす財政リスクを解説します。
国債費の記録的膨張と金利上昇
財務省は2026年度の概算要求で、国債費として32兆3865億円を計上しました。これは過去最大の見込み額であり、関係者の間には驚きが広がっています。この膨張の主因は、新発10年物国債の利回りが一時1.63%まで上昇するなど、長期金利の上昇にあります。金利上昇は、国債の債券価格を押し下げ、結果として将来の利払い費を増加させる直接的な要因となっています。
東京・霞が関にある財務省の正門。国債費増大への対応が急務。
想定金利と利払い費の急増
財務省が国債の利払い費を算定する際に用いる「想定金利」も大幅に上昇しました。足元の金利水準に加え、過去の急騰時のリスク分として約1%を加味した結果、2026年度の想定金利は2.6%に達しました。この想定金利の引き上げにより、利払い費は2025年度予算と比較して24.0%増の13兆435億円と見込まれ、財政状況を一層厳しくしています。
国債残高が招く将来の財政リスク
利払い費の増加は段階的に進むという特徴があります。現在1100兆円を超える国債残高は、過去の低金利時に発行されたものが償還期限を迎えるたびに、現在の高い金利水準の国債に順次置き換わっていきます。財務省は今年4月、2026年度以降に金利が想定より1%上昇した場合、利払い費が2027年度に2.1兆円、2034年度には8.7兆円も増えるとの試算を公表しました。これにより、予算編成の自由度が低下し、財政運営に深刻な制約が生じると財務省幹部は危機感を示しています。
金利上昇の多角的要因と財政健全化の喫緊性
長期金利上昇の背景には、日本銀行による利上げや国債買い入れの減額といった金融政策の変更だけでなく、日本の財政悪化に対する市場の懸念の広がりも大きく影響しています。与野党間で議論されているガソリン税の暫定税率廃止による税収減や、秋の臨時国会で組まれる可能性のある物価高対策や米国の関税措置対応のための大型補正予算など、歳出拡大圧力が強まれば、さらなる金利上昇を招き、利払い費の増加を加速させる恐れがあります。財政の持続可能性が問われる中、国債残高の削減と財政健全化への早急な取り組みが不可欠です。
結論:持続可能な財政へ向けた課題
2026年度予算における国債費の記録的な膨張は、日本の財政が直面する喫緊の課題です。長期金利の上昇が利払い費を急増させ、将来の財政運営に大きな制約を与えることは明らかです。予算編成の自由度を確保し、持続可能な財政を維持するためには、国債残高の削減と財政健全化への早急な対応が政府に求められています。
参照元
- 財務省概算要求に関する発表資料 (Yahoo!ニュース記事より)