【AFP=時事】オーストリア・アルプスで、犬を連れてハイキングをしていた夫婦が林道で牛の群れに襲われ、夫が死亡した。地元警察が1日、明らかにした。
【写真】牛の群れに襲われハイカー死亡 オーストリア・アルプス
人口900万人超のオーストリアでは、牛に襲われる死亡事故はまれで、牛の群れが自由に草をはむ山岳地帯は夏の人気の観光地となっている。
警察によると、85歳の夫と82歳の妻は8月31日午後、シュタイアーマルク州ラムサウアムダッハシュタインの山小屋に向かってハイキングしていた。
地元警察のマルクス・ラム氏はAFPに対し、「ウィーン出身の退職した夫婦と飼い犬が、いわゆる『オーストリア小屋』のすぐ下を歩いていたところ、子牛3頭を含む牛9頭の群れに襲われ、重傷を負った」と語った。
他のハイカーとオーストリア小屋の管理人が襲撃を目撃し、応急処置を施した後、救急隊に通報した。
夫婦はザルツブルクの病院に搬送されたが、夫は緊急手術を受ける直前に死亡した。
地元検察は、襲撃の正確な状況を調査している。
オーストリアでは2024年にも、ザルツブルク州で2匹の小型犬を連れた女性がハイキング中、牛の群れに襲われ死亡した。
この10年前の牛による襲撃で死者が出たことを受け、オーストリア政府はハイカー向けの「行動ガイドライン」を発表。牛から一定の距離を保つこと、犬は短いリードでつなぎ、牛に襲われた場合はリードを離すことなどが記されている。【翻訳編集】 AFPBB News