『あんぱん』八木信之介、妻夫木聡が熱演!モデルはサンリオ創業者・中園ミホが明かす創作秘話

現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』では、俳優の妻夫木聡さんが演じる八木信之介のキャラクターが大きな注目を集めています。この度、本作の脚本を手掛ける中園ミホ氏が、八木のキャラクター設定の裏側に隠された秘話、特にサンリオ創業者である辻信太郎氏がモデルの一部となっていることを明かしました。辻氏との出会いや、歴史的事実を再構築した創作意図について語られた内容をご紹介します。

連続テレビ小説『あんぱん』で八木信之介を演じる妻夫木聡。連続テレビ小説『あんぱん』で八木信之介を演じる妻夫木聡。

『あんぱん』の物語背景と八木信之介の役割

NHK総合で放送中の連続テレビ小説『あんぱん』は、漫画家やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、愛と勇気の物語を描いています。何者でもなかった二人が数々の困難を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』を創り出すまでの軌跡を追います。ヒロイン・朝田(柳井)のぶ役を今田美桜さん、やなせたかしさんをモデルとした柳井嵩役を北村匠海さんがそれぞれ演じています。

妻夫木聡さん演じる八木信之介は、嵩が戦時中に所属した小倉連隊の上等兵であり、幾度となく嵩を助け、共に激戦を生き抜いた戦友です。戦後、東京で嵩と再会した八木は、嵩の漫画家や詩人としての才能を見抜き、その背中を押し続けました。自身の会社から嵩の詩集やデザイングッズを発売するなど、嵩の才能を世に広める上で重要な役割を果たすキャラクターです。

『あんぱん』で急接近する蘭子役の河合優実と八木役の妻夫木聡。『あんぱん』で急接近する蘭子役の河合優実と八木役の妻夫木聡。

モデルはサンリオ創業者・辻信太郎氏:歴史との差異

中園氏によると、八木のモデルの一部はサンリオ創業者の辻信太郎氏であることが明かされました。史実ではやなせさんと辻氏の出会いは戦後ですが、ドラマでは戦時中から嵩と八木の関係が始まるように創作されています。この設定変更について中園氏は、「次々に新しい人が出てきて、その場その場で違う人が役割を背負っていくよりも、妻夫木さんのような素晴らしい俳優さんに長い間出演していただきたいという思いがありました」と説明しています。

また、辻氏とやなせさんが繋がっていた「反戦の気持ち」を強調するため、戦地で出会う設定にした方が、二人の間の友情や絆がより深く描けると考えたとのことです。これは、単なる史実の再現に留まらず、物語としての深みとキャラクターの魅力を最大限に引き出すための脚本家としての意図が込められています。

創作の舞台裏:本人からの許可と感動の言葉

中園氏は、脚本執筆にあたり、事前に妻夫木聡さんと共にサンリオを訪れ、辻信太郎氏本人と対面したことを告白しています。辻氏から直接話を聞き、八木信之介のキャラクター設定について正式な許可を得たそうです。

その際、辻氏が八木について「僕よりかっこいいね」と語ったというエピソードも明かされ、実際のモデルとなった人物からの温かい言葉が、このキャラクターにさらなる魅力を与えています。歴史的人物に敬意を払いながらも、フィクションとしての面白さを追求する制作陣の姿勢がうかがえる秘話と言えるでしょう。

結論

連続テレビ小説『あんぱん』における八木信之介というキャラクターは、サンリオ創業者・辻信太郎氏をモデルとしながらも、脚本家・中園ミホ氏の巧みな創作によって、物語に深みと人間ドラマをもたらしています。妻夫木聡さんの熱演と共に、史実とフィクションが融合したこのキャラクターが、今後の物語展開にどのように影響していくのか、視聴者の期待は高まるばかりです。


Source: Yahoo!ニュース / マイナビニュース