フジテレビ系「幸せな会社みつけました」(8月30日放送)で紹介された生活協同組合コープみやざき。県内世帯の約2戸に1戸は加入しているという加入率の高い生協です。その高い加入率の秘訣はなんなのか。ドキュメンタリーの原案となったシリーズ累計60万部、経営学者・坂本光司氏の著書『日本でいちばん大切にしたい会社7』より一部抜粋・再構成してお届けします(内容や肩書等は2020年刊行当時のもの)。
■県内の世帯加入率は53%
コープみやざきが誕生してから46年、この間、日本のスーパーは地域スーパーや全国チェーンのスーパーはもちろんのこと、生活協同組合であるコープの店もまた、出店と退店をくり返してきました。しかしコープみやざきはこの46年間、15店舗を開店。しかもこの46年間で、組合員は690人から25万6000人にまで増え、県内の世帯加入率は何と53%を上回るまでに増加しています(2020年取材当時)。
つまり、宮崎県内の世帯の半分以上が、コープみやざきの組合員世帯なのです。驚くのはそれだけではありません。コープみやざきの事業は、店舗事業・共同購入事業・共済を含む生活事業の3分野に分かれていますが、売上高(生協では供給高と呼んでいます)も、この間ほぼ右肩あがりに増加し、スタートした45年前の1億円弱から、現在では300倍の300億円にも達しています。
コープみやざきには、年2回、25万人の組合員に届ける「わが家の声カード」があります。組合員がいつでも要望や提案が行える、「よくするカード&よかったよカード&こんなふうに使ったよカード」(通称「よくするカード」)も用意されています。
また、職員が組合員から聴いたり気づいたりしたことを記入する「こんなこと聴けたよ! 気づいたよ! 報告書」もあります。
その他に、機関紙へのたよりやアンケートへのコメントなど、組合員からの声を聴く20を超える仕組みがあります。寄せられる声は年間約8万件を超えています。内訳は、組合員が直接記入した声が約3万件、職員が聴いたり気づいたりして記入した声が約5万件になるそうです。