本州を横断した台風15号の影響で、5日は西日本から東日本の太平洋側を中心に広範囲で大雨となり、静岡県では突風が発生した。同県牧之原市や吉田町などで住宅の屋根が飛ばされたり、車が横転したりする被害が出て、県などによると25人が重軽傷を負った。
気象庁によると、台風は5日未明、高知県に上陸し、本州の太平洋側を東へ進んだ。静岡県と神奈川県では昼過ぎから夕方にかけて、短時間に大雨をもたらす線状降水帯が発生。1時間降水量は、静岡県菊川市と牧之原市で100ミリ超を記録するなど5地点で観測史上最大となった。
静岡県によると、午後2時半時点で牧之原市の住宅40棟が全半壊する被害が確認された。同市の自営業の女性(76)の自宅には倒れてきた電柱が直撃。「屋根がはがれて家の中にあったものが飛ばされてしまった。もうこの家に住めないかもしれない」と肩を落とした。
茨城県日立市でも午後に突風が発生し、JR大甕(おおみか)駅西口の駐車場で車2台が横転した。いずれの車にも人は乗っておらず、けが人はなかった。
台風は5日夜、関東の東の海上で温帯低気圧に変わった。