TBS系日曜劇場『19番目のカルテ』の最終回が7日に放送され、麻薬取締法違反容疑で警視庁に逮捕された鹿山慶太役・清水尋也容疑者の出演シーンが全てカットされるという異例の事態となりました。主演の松本潤が語った再編集の舞台裏、そして物語の核心に迫る展開、さらには放送後の視聴者からの多様な反響について詳細をお伝えします。
異例の再編集、松本潤が語る舞台裏
『19番目のカルテ』は、病気だけでなく患者の心や生活背景にも向き合う総合診療医を描くヒューマン医療エンターテインメントとして注目を集めていました。しかし、出演者の一人である清水尋也容疑者が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたことを受け、最終回の放送に際して大規模な再編集が行われました。主演を務める松本潤は、放送前日の情報番組でこの件に言及。「(清水容疑者の)出演シーンはすべてカットして、つなぎ直して編集を全部し直して、なんとかストーリーがつじつまが合うように再編集して、ようやく放送できる状況になっています」と、制作陣の並々ならぬ努力と苦労を明かしました。この発言は、物語の一貫性を保つための緊急かつ大規模な作業が実施されたことを示しており、作品への影響を最小限に抑えようとする強い意志が感じられました。
日曜劇場「19番目のカルテ」最終回より、松本潤、小芝風花、ファーストサマーウイカが演じる登場人物たちが困難に立ち向かう場面。清水尋也容疑者の出演シーンはカットされた後の編集版の様子。
『19番目のカルテ』最終回の物語展開
最終回では、松本潤演じる徳重の目の前で、田中泯演じる赤池が倒れるという衝撃的な展開から始まりました。徳重は赤池がバッド・キアリ症候群という難病を患い、心不全を起こしていることを見抜き、魚虎総合病院に緊急搬送します。ファーストサマーウイカ演じる茶屋坂心によるオペで一命は取り留めたものの、抜本的治療である肝移植を行わなければ余命が一ヶ月という残酷な診断が下されます。しかし、赤池は以降の治療を拒否し、徳重に対して「これから一言も喋らない」と宣言。問診を武器とする総合診療医にとって、患者の沈黙は何よりも大きな痛手となります。小芝風花演じる滝野が赤池の本意を掴めずに苦悩する一方、徳重は冷静に動き始めるという、緊迫した状況が描かれました。
視聴者からの様々な反響
清水尋也容疑者の出演シーンが全カットされた最終回の放送を受け、視聴者からは様々な声が寄せられました。SNS上では「タイトルバック、本当だったら鹿山もいたのかな…」「見事に存在がない。本当にもったいないことをしたな」と、編集の徹底ぶりに驚きと同時に惜しむ声が上がりました。また、「清水尋也くんが最初から出てなかったかのように編集されててすごい(笑)けど、やっぱり寂しいなぁ…最終回でも同期3人組のシーン見たかった」「清水くんほんともったいない…とても良い俳優さんなのに…編集大変だったろうな…」といった、俳優としての才能を惜しむ意見や、制作陣の編集作業に対する労をねぎらうコメントも多く見られました。この件は、作品の完成度と予期せぬ事態への対応という点で、大きな議論を呼びました。
麻薬取締法違反容疑による出演者の降板という予期せぬ事態に見舞われた『19番目のカルテ』最終回。制作陣は異例の再編集という困難に立ち向かい、主演の松本潤をはじめとするキャスト・スタッフが一丸となって、作品を視聴者に届けようと尽力しました。この状況下でも最終回が放送され、物語が完結したことは、多くの視聴者にとって作品への深い理解と制作チームへの信頼を再認識させる機会となったでしょう。