神奈川県逗子市内の逗子海岸で、水上バイクを牽引しようとした乗用車が無許可で砂浜に侵入し、動けなくなる騒ぎが発生しました。この車両は長時間にわたり立ち往生し、その様子がSNSで拡散され大きな話題を呼んでいます。侵入経路については、鍵がかかっていなかった車止めのある市道からのものと見られています。いったい何が起こったのでしょうか。
逗子海岸で何が起きたのか?高級車スタックの現場
観光客で賑わう逗子海岸の波打ち際で、白い高級外国車が後部を海に向けた状態で動けなくなっていました。タイヤの約3分の1が砂に深く埋まり、後輪付近は海水に浸かる状況です。消防署員や多数の観光客が後ろから押したり、前輪の下に板を敷いたりする懸命な救出作業が行われましたが、なかなか動かすことができませんでした。車の近くの海上には水上バイクが浮かび、その横には水上バイクを運ぶための台も置かれていました。この異様な光景は2025年9月7日日曜日の夕方からX(旧Twitter)上で写真や動画として次々に投稿され、多くの注目を集めました。情報によると、車はこの日の17時頃、海岸中央付近から砂浜に侵入し、水上バイクを海から引き揚げようとした際にスタックしたとされています。
逗子海岸に無許可侵入し、砂浜でスタックした白い高級車と車止め
緊急対応と救出活動:JAF断念、消防と市民の協力
この事態を受け、現場へ出動した逗子市消防本部が詳細を説明しました。7日の18時15分、「水上バイクを海から引き上げようと車を砂浜に乗り入れたところ動けなくなった」との119番通報が入ったとのこと。現場に急行した消防署員に対し、50歳前後の男性ドライバーはJAF(日本自動車連盟)に救援を依頼したが、作業対象外として断られたと説明しました。消防は、車が沖に流される危険性を考慮し、対応に当たったといいます。
救出活動は、署員がスコップで車の前の砂をかき出し、タイヤが固い地面に接するまでの道を作ることから始まりました。この作業には、偶然居合わせた観光客も積極的に協力しました。署員と観光客らが協力して車を押し、男性ドライバーが断続的にアクセルを踏み込むことで、車は徐々に脱出を試みました。最終的に車が自走できる状態になったのは、通報から約3時間以上が経過した21時30分でした。
無許可侵入の経路と長期化の背景
今回の件では、車が市道に設置されていた車止めを外して侵入した可能性も指摘されています。車止めに鍵がかかっていなかったため、意図せずとも簡単に進入できてしまったという見方も存在します。通常、逗子海岸への車両の乗り入れは厳しく制限されており、特別な許可がない限り、一般車両が砂浜に侵入することはできません。このような無許可侵入によって車がスタックし、自力での脱出が困難になった結果、約4時間にわたる救出作業が必要となりました。夏季の観光シーズンを終えつつあるとはいえ、まだ多くの観光客が訪れる人気のビーチでの出来事であり、現場の混乱と長期化した状況は、今後の海岸管理における課題を浮き彫りにする形となりました。
逗子海岸での今回の車両スタック事件は、無許可での砂浜侵入というルール違反が、多くの人々の手を煩わせ、長時間にわたる救出劇を招いたことを示しています。改めて、海岸の利用ルールと安全管理の重要性が問われる事態となりました。