欧州発「On」「HOKA」「SALOMON」が日本で人気沸騰の理由:次世代シューズが変える市場と日常

近年、世界のスポーツシューズ市場に新たな潮流が押し寄せています。筆者がベトナムで目にした〈On(オン)〉シューズの普及は、アスリートだけでなく一般にも広がる「次世代シューズ」の象徴です。スイス発のOn、フランス生まれの〈HOKA(ホカ)〉、そして〈SALOMON(サロモン)〉といった欧州ブランドは、なぜこれほど人気を集め、従来のスポーツシューズの枠を超え街履きとしても市民権を得ているのでしょうか。

ベトナムを旅行中に多くの観光客が着用していたオン(On)のランニングシューズ。街履きとしても浸透するその快適性とデザインが人気の理由を物語る。ベトナムを旅行中に多くの観光客が着用していたオン(On)のランニングシューズ。街履きとしても浸透するその快適性とデザインが人気の理由を物語る。

旧来型市場の停滞と欧州新勢力の台頭

従来のグローバルスポーツブランドは、競技用ハイテクと80・90年代復刻モデルスニーカーとして展開。しかし、優れた履き心地や負荷軽減技術は競技用に限定され、日常のワークアウト街履きニーズに応えきれない課題がありました。消費者には、「旧態依然」とした市場の物足りなさが募っていたのです。

こうした中、On(スイス)、HOKA(フランス)、トレイルランニングに根ざしたSALOMON(フランス)が急速に台頭。これらはトレンド以上に、履く人のパフォーマンス向上快適性を徹底追求しています。その軽さと卓越した履き心地が、アスリートだけでなく日常使いにも評価され、ランニングフィットネスを超え、広く一般市場へと浸透しました。

コロナ禍が加速させた「次世代シューズ」の浸透

新興勢力の動きに、コロナ禍以前の2016年から着目し、「スポーツマリオ ラン&フィットネス」を運営していたのが、スポーツマリオの取締役営業本部長・菅原孝夫さんです。

特にコロナ禍は、健康意識の高まりやアウトドア活動への関心増加を背景に、快適で機能的なシューズへの需要を加速させました。従来のグローバルスポーツブランドでは満たせなかった市場のギャップを、OnHOKASALOMONといった次世代シューズが埋め、市場の変化を決定づけたのです。

OnHOKASALOMONといった欧州発次世代シューズブランドの成功は、デザイン性だけでなく、スポーツシューズとしてのパフォーマンスと日常生活における快適性軽さを両立させた点にあります。アスリートから一般の街履きユーザーまで、多様なライフスタイルに応えるこれらのブランドは、今後もスポーツシューズ市場の未来を牽引していくでしょう。

[Source link ](https://news.yahoo.co.jp/articles/9c2c984cc5b091c5316c97a36d1ff6eab46f389b)