フジテレビ系列28局がドキュメンタリー作品を競う「第28回FNSドキュメンタリー大賞」の受賞作が17日に発表され、大賞にテレビ大分の「尾畠春夫 人生は恩返し ~スーパーボランティアと呼ばれた男~」が選ばれた。平成30年に山口県で行方不明となった2歳男児を発見した尾畠さんに長年密着取材し、実像を描き出した。同局の大賞受賞は初めて。
準大賞に鹿児島テレビの「トラオの夢 ~病院王・徳田虎雄とその時代~」、特別賞にはテレビ熊本の「実りの秋よ いつまでも」と福井テレビの「聖職のゆくえ ~働き方改革元年~」が選出された。大賞作品は来年1月3日午前4時55分から、フジテレビで放送される。
大賞に輝いたテレビ大分報道部の白井信幸ディレクターはコメントで、「ユニークなおじいさんだなと思いつつ、被災地を思いやる一途すぎる気持ちの理由は何なのかと、取材を始めて気がつけば8年が経ちました」と取材の経緯を説明。「“スーパーボランティア”と呼ばれるようになった展開に驚きも感じましたが、尾畠さんのブレない行動からすると、多くの人の共感を呼んだことは、むしろ必然にも感じられます。番組を通じ、善意の気持ちが少しでも広がったのであれば、制作者としてうれしい限りです」と語った。