日本テレビ、国分太一氏降板巡る「会見妨害」疑惑と人権救済申立ての波紋

タレント・国分太一氏の降板騒動を巡り、日本テレビが大きな岐路に立たされている。同局はコンプライアンス違反を理由に国分氏をレギュラー番組から外したが、その後、国分氏側からの反論と人権救済申立て、さらには記者会見への「圧力」疑惑が浮上し、メディアとしての信頼性が問われる事態となっている。日本テレビの対応は“中居騒動”で批判を浴びたフジテレビの二の舞となるのではないか、と関係者の間では懸念が広がっている。

「恐怖すら覚える」国分太一氏側が語る日テレ対応への不信

「10月27日に日本テレビで開かれた社長定例会見での発言を聞いてあぜんとしました。彼らがこれまでの主張を全く変えるつもりはないことがよく分かった一方で、その姿勢を見た国分さんは恐怖すら覚えています」と語るのは、国分氏の代理人を務める菰田優弁護士である。日テレの福田博之社長(64)は同日の会見で、国分氏が日弁連に人権救済を申し立てた件について「大変戸惑っている」とコメントし、局側の対応を「適切だった」と繰り返した。

日本テレビとのコンプライアンス問題で会見妨害疑惑が報じられたタレントの国分太一氏日本テレビとのコンプライアンス問題で会見妨害疑惑が報じられたタレントの国分太一氏

福田社長の発言は、国分氏側にとって疑問符の残る内容だった。「福田社長は“現在のままでは(国分側と)対話に応じることは難しい”と言った後で、“それでも対話の扉は開いている”と話すなど、私たちの方こそ“戸惑う”ほかない内容でした。さらに“(国分には)不信感を感じざるを得ない”とも述べましたが、それは私たちがこの3カ月間、日テレに抱いてきた感情そのものです」と菰田弁護士は述べ、日本テレビへの強い不信感を露わにした。

突如の降板通告から「処分理由不明」の長期化

日本テレビが国分氏に複数のコンプライアンス違反があったとして、レギュラー番組「ザ!鉄腕!DASH!!」からの降板を突如発表したのは6月20日のことだった。この一方的な発表は世間に大きな衝撃を与えた。

国分氏から相談を受けた菰田弁護士が日本テレビと協議に向けたコンタクトを取り始めたのは8月1日である。当初、国分氏自身はハラスメント行為に関しては真摯に反省の意を示していたものの、日本テレビ側がコンプライアンス違反の詳細を明らかにしようとしない姿勢に、疑念を抱き続けていた。

しかし、この詳細な説明を求めても回答は先延ばしにされるばかりで、ようやく日本テレビの代理人弁護士と会えたのは10月10日だったという。しかし、その場でも具体的な処分理由の説明は一切なく、問題の長期化と複雑化を招いている状況が浮き彫りとなった。

この国分太一氏を巡る一連の騒動は、日本の芸能界におけるコンプライアンスのあり方、そしてメディア企業としての日本テレビの対応、ひいては情報公開の透明性について、社会に大きな問いを投げかけている。今後の動向が注目される。

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