シンガーソングライターの柴田淳氏が自身のX(旧ツイッター)に投稿した内容が、政治家である高市早苗氏に対する批判として広範な炎上を巻き起こし、日本のSNS上で大きな波紋を呼んでいます。公的な場で影響力を持つ著名人による政治的発言が、その表現の適切さや意図を巡って激しい議論を呼ぶケースは少なくありませんが、今回の柴田氏の投稿は特にその言葉遣いが問題視され、多くの批判を集める事態となりました。
高市氏のトランプ氏推薦巡る発言が発端
今回の炎上の発端となったのは、高市早苗氏がドナルド・トランプ元米大統領をノーベル平和賞に推薦する意向を示したことでした。高市氏は日米首脳会談の場で、トランプ氏の紛争解決への貢献を高く評価し、その推薦の意向を伝えたとされています。
高市早苗氏、ドナルド・トランプ元大統領へのノーベル平和賞推薦意向を巡る発言
このニュースを引用する形で、フォロワー数6万人を超える柴田氏のXアカウントには、「こうやって男に散々媚びてきたんだろうな。使えるものはなんでも使ってね」とのコメントが投稿されました。さらに柴田氏は、高市氏の名前を直接出すことは避けながらも、「命かけて全身全霊で媚び売ってる。ただの権力に擦り寄るさもしいみっともない人。世界中がドン引きしてるよ」と、強い批判の言葉を連ねました。これらの投稿は瞬く間に拡散され、2500万近いインプレッションを記録しましたが、その大半は柴田氏への批判や非難の声でした。「発想が下品」「懸命に国のために働いている高市さんによくそんなこと言えるな」といった怒りの意見が相次ぎました。
批判殺到の背景と「誹謗中傷しない」宣言の矛盾
柴田氏への批判が殺到した背景には、いくつかの要因が指摘されています。スポーツ紙記者のコメントによれば、柴田氏は以前から石破茂元首相の熱心な支持者であることをXのプロフィールで公言しており、高市氏に対しては強い反感を抱いていたとされます。今回の批判が「男に媚びる」という女性蔑視的な表現を含んでいたことが、「国のために努力する高市氏への侮辱である」として、特に強い反発を招きました。
さらに、ネット上では「誹謗中傷しませんって書いているけど、媚び売ってるっていうのは高市さんへの誹謗中傷そのものなのわかってるのかな」という声も上がりました。柴田氏が自身の公式サイトのトップページで、「誹謗中傷はしません」と宣言しているにもかかわらず、今回の投稿が誹謗中傷にあたるのではないかという矛盾が指摘されています。
過去にも政治家批判で炎上、事務所からも注意喚起
今回の炎上は、柴田氏にとって初めての事態ではありません。過去にも、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏や兵庫県の斎藤元彦知事といった人物をXで批判し、その言葉遣いが問題視されたことがあります。こうした状況を重く見た所属レーベルのビクターエンタテインメントは、2025年3月に公式サイトで「柴田淳のX上の投稿の一部に不適切な言葉遣いがあると判断した」と声明を発表し、柴田氏に対して注意喚起を行いました。
しかし、事務所からの正式な「お叱り」があったにもかかわらず、柴田氏は攻撃的な論戦スタイルを変えようとはしていません。立花氏への批判問題が起きた際も、柴田氏は公式サイトのトップページに、「私の発言を誹謗中傷と見做した会社と全ての方々へ 稚拙な言葉遣いがあったことは認め改めますが、私は他者を攻撃、誹謗中傷、差別などしておりません。それは今後も変わりません」との文章を掲載し、現在も掲載を続けています。言葉遣いに問題はあったかもしれないが、誹謗中傷の意図はなく、発言の本質は正しいという姿勢を崩していないのです。今回の高市氏への投稿に対しても、批判的なリプライを送った一般ユーザーに対し、「自己紹介お疲れ様です。だったら見なきゃいいのにそれが出来ず、わざわざ書き込んでまで言いにくる。勿論身分は隠して。恥ずかしい人」と強い皮肉で応酬しています。
「ブログの歌姫」の政治的発言とファンの懸念
「月光浴」や「HIROMI」などのヒット曲で知られ、自身の心境を率直に綴るブログが評判を呼び、“ブログの歌姫”と称されたこともある柴田淳氏。政治的発言の自由は尊重されるべきですが、著名人である以上、その発言が社会に与える影響は大きく、特にSNS上での言葉遣いには慎重さが求められます。誹謗中傷と受け取られかねない投稿は、柴田氏の音楽を愛するファンを離れさせてしまう可能性も指摘されており、今後の言動には一層の注意が必要とされます。
今回の騒動は、SNSが普及した現代において、著名人の政治的発言のあり方、表現の自由と責任、そして誹謗中傷の境界線について、改めて社会に問いを投げかけるものとなっています。
参考文献
- J-PRIME. (日付不明). 「高市首相を「みっともない人」と批判 柴田淳の“口撃”にファンは離れる?」. Yahoo!ニュースより引用.
- ビクターエンタテインメント. (2025年3月). 「柴田淳に関する弊社声明」. (記事中で言及された声明だが、具体的なURLは提供されていないため、一般的な情報として記載)
- 柴田淳公式サイト. (日付不明). 「私の発言を誹謗中傷と見做した会社と全ての方々へ」. (記事中で言及された声明だが、具体的なURLは提供されていないため、一般的な情報として記載)




