紅白歌合戦初出場aespaに波紋 – ニンニン「きのこ雲ランプ」投稿が物議再燃

年末の風物詩である『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK)の出場アーティストが11月14日に発表されました。久保田利伸さん(63)やORANGE RANGEなど往年の人気アーティストが返り咲く一方で、幾田りらさん(25)、HANAさん、M!LKなど若者から絶大な人気を誇るアーティストが初出場を果たします。そんな初出場組の中で、現在インターネット上で大きな話題を呼んでいるのが、韓国発の4人組ガールズグループ・aespaです。

『紅白歌合戦』に返り咲くベテランと注目の初出場組

第76回NHK紅白歌合戦では、長年のキャリアを持つベテランアーティストと、若者を中心に熱狂的な支持を集める新進気鋭のアーティストたちが名を連ねました。特に初出場組には、音楽シーンに新たな風を吹き込むと期待される面々が揃い、今年の紅白への注目度を高めています。

世界的人気グループaespa、初出場への期待と過去の“問題投稿”

aespaは、韓国の大手芸能事務所SMエンタテインメントから2020年にデビューしたグループで、韓国出身のカリナさん(25)、ウィンターさん(24)、日本出身のジゼルさん(25)、中国出身のニンニンさん(23)の4人で構成されています。日本国内でも「Supernova」「Whiplash」「Drama」の3曲がストリーミング累計再生回数1億回を突破するなど、アジア圏に留まらず世界的な人気を誇り、その知名度は今年の紅白初出場組の中でもトップクラスと評されています。

紅白出場が決定した翌日には、番組公式X(旧Twitter)で「aespaの大きな夢の一つ、紅白歌合戦の舞台に立つことができてとても光栄です!」とのコメントが紹介され、公開されたビデオメッセージではメンバーが意気込みを語っていました。

aespaのメンバーがポーズをとる写真aespaのメンバーがポーズをとる写真

しかし現在、あるメンバーの過去の言動が“再燃”し、物議を醸しています。aespaの紅白出場決定以降、ニンニンさんが2022年5月にファン向けアプリに投稿した写真が改めて問題視されているのです。当時ニンニンさんは「i bought a pretty light~~~how is it?(訳:可愛いライトを買ったよ。どう?)」というコメントと共に、爆発によって生じる“きのこ雲”のような形をした卓上ランプの写真を投稿していました。

このデザインが、広島への原爆投下で約14万人、長崎で約7万人の命が失われた原子爆弾による被害を連想させるとして、ニンニンさんの過去の投稿は不適切であるとの声がSNSの一部で噴出し、aespaの紅白出場取りやめを求める動きが見られます。今年は戦後80年という節目の年であり、司会を広島出身の有吉弘行さん(51)と綾瀬はるかさん(40)が務めるほか、長崎出身の福山雅治さん(56)とMISIAさん(47)が6年連続で大トリを務める可能性も囁かれています。象徴的な回となることが考えられるため、ニンニンさんの件は特に問題視されている状況です。

広がる波紋:SNSでの批判と署名活動

同様の事例として、2018年には韓国の人気アイドルグループBTSのメンバーが、長崎に原爆が投下された際に生じたきのこ雲を想起させる写真がプリントされたTシャツを過去に着用していたことがSNSで問題視され、同年11月9日に放送予定だった『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)への出演が急遽取りやめになった経緯があります。

ニンニンさんの過去の件を受けて、Xでは「BTSは紅白じゃないけどMステ出演無くなってるし、aespaは良くてBTSはダメっておかしいから日本国として筋通さんとなaespa紅白断固拒否」「原爆ランブaespaを戦後80年で出せる神経が分からない」「今年の紅白は戦後80年で広島出身の有吉、綾瀬はるかでやってんのに今回のaespaの件はダメやろNHKも少し考えないと流石にこれはダメだよ」といった批判の声が上がっています。

さらに、オンライン署名サイト「change.org」では「aespaの紅白出場停止を求めます」と題した署名活動が開始され、18日夜時点で5万7000件を超える賛同が集まるなど、大きなうねりを見せています。

NHKの回答:過去の事例と今後の判断

このような状況を受け、本誌は11月17日にNHK広報局に対し、ニンニンさんが「きのこ雲」を連想させるランプを購入し、ファン向けアプリで披露していたことを把握した上で、aespaに紅白出場のオファーを出したのかを問い合わせました。

NHKの担当者からは、「ご指摘の事案は承知していますが、所属事務所には、当該メンバーに原爆被害を軽視、揶揄する意図がなかったことなどを確認しています」との回答がありました。その上で、担当者はaespaの紅白出場をめぐる判断について、以下のように説明しました。

「出演については、『今年の活躍』『世論の支持』『番組の企画、演出にふさわしいかどうか』の観点から様々なデータも参照して、総合的に判断しました」

この回答は、NHKが当該事案を認識しつつも、所属事務所からの説明を受け、多角的な視点から総合的に出場を判断したことを示しています。今後、この問題が紅白歌合戦の放送にどのような影響を与えるのか、引き続き注目されます。