高市早苗首相(64)が国会答弁で「台湾有事が日本の集団的自衛権を行使できる『存立危機事態』になり得る」と発言したことが、国内外で大きな波紋を広げています。これまでの野党による高市首相への批判は「的を射ない」とされることが多かったものの、今回の発言は中国側の強い反発を招き、両国間の緊張が高まる事態となっています。中国の大阪総領事がSNS「X」で過激な投稿をし、中国外務省も日本への渡航を控えるよう呼びかけるなど、情勢は緊迫の度合いを増しています。
高市首相の「台湾有事」発言と波紋
高市首相の台湾有事に関する発言は、立憲民主党の岡田克也氏との質疑応答の中で飛び出しました。この発言は直ちに中国政府の反発を招き、外交問題へと発展しています。特に、中国の大阪総領事がXに「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」と投稿したことは、異例の強硬姿勢として注目されました。これに続き、中国外務省が日本への渡航自粛を勧告するなど、日中関係はかつてない緊張状態に陥っています。
橋下徹氏が岡田克也氏の質疑を「大金星」と評価
こうした中、元大阪府知事で弁護士、コメンテーターの橋下徹氏(56)が16日放送の『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演し、この件について言及しました。橋下氏は、岡田氏が高市首相から「台湾有事」に関する答弁を引き出したことを高く評価し、賛辞を送りました。
岡田氏の質問に対してSNS上では「しつこい」といった否定的な声も上がっていましたが、橋下氏はそれらの批判にも触れつつ、次のようにコメントしました。「岡田さんを批判する声をネットの中やいろんなところで見ますけど、高市さんは最後に日本が武力行使をするかどうかを判断する、判断権者ですから。高市さんの性格的なものが、あそこで引き出されて、反省されたので、岡田さんの質問によって反省されたということで、非常に良かったと思いますね。」
橋下徹氏がテレビ番組に出演している様子
橋下氏はさらに、「この台湾有事を巡っては、一部強硬な支持者向けにちょっと前のめりな発言をしてしまった。僕はそれが武力行使につながると一番恐れていたので、岡田さんが反省という言葉を引き出してくれて、イチ国民としてありがたかった」と述べました。高市首相自身も、この「台湾有事」発言の3日後、「特定のケースを想定したことについて、この場で明言することは慎もうと思っている」と反省の意を示しています。これを踏まえ、橋下氏は岡田氏の高市首相への質疑を「“大金星”だと思っています」と評価しました。
「大金星」発言へのSNSの反応と世論の相違
「大金星」とは、大相撲に由来する言葉で、予想を覆すような驚きを伴った勝利、すなわち「番狂わせ」が起きたときに使われます。しかし、この橋下氏の言葉選びに対し、Xでは多くのユーザーから違和感を示す声が上がりました。
- 「分断や対立を煽ってるのは立憲や橋下さんだ!『大金星』?は?」
- 「大金星? 橋下さんのこと尊敬してましたけど、これ、ちょっと違うんじゃないですか?」
- 「大金星って相撲じゃないんだから」
- 「大金星って何を言ってんだか、、、それを嬉々としてポストする姿勢は見ていて痛すぎです」
といった批判的な意見が多数見られました。スポーツ紙記者は「確かに支持率の高い高市政権に野党の立憲が一矢報いたかたちにはなりましたが、今は国民としては『政治家同士で足の引っ張り合いをしている場合ではない』という気持ちが強いのかもしれません。そんななかで勝負の世界で使用する『大金星』という表現に違和感を覚える人が多く、批判の声を集めてしまっています」と指摘しています。与党への批判や監視は野党やメディアの重要な役割ですが、橋下氏の言葉は、国民が求めるものとの間に、いささか距離があったのかもしれません。





