自民党の重鎮であり、防衛大臣や外務大臣などを歴任した河野太郎元デジタル相(62)が11月27日、自身のX(旧Twitter)に「えっ、俺、誰と対談したんだっけ?」と投稿し、世間の注目を集めました。この投稿は、台湾発の日本語ニュースメディア「風傳媒 台湾ニュース」の誤報がきっかけで、河野氏がドナルド・トランプ前米大統領と間違えられたという、異例の事態が明らかになりました。河野氏の機知に富んだ反応は、SNS上で大きな反響を呼んでいます。
台湾メディアの誤訳が引き起こした「トランプ氏と河野氏」の取り違え
今回の騒動は、11月26日に「風傳媒 台湾ニュース」が配信した記事のタイトルが発端でした。そのタイトルには「河野太郎氏と対談後、日本の姿勢は変わったのか 高市早苗氏『台湾有事論は撤回せず』」と記されており、高市早苗首相と河野氏の対談があったかのように報じられていました。しかし、河野氏は高市首相と対談した事実はなく、自身の名前が記事に登場したことに驚きを隠せませんでした。
数時間後、「風傳媒 台湾ニュース」は河野氏のXのコメント欄に返信し、事の経緯を説明しました。同メディアによると、11月26日に高市首相が電話会談したのは、本来「トランプ大統領」と表記すべきところを翻訳ミスにより「河野太郎様」と誤って記載してしまったとのこと。記事はすでに訂正されましたが、この翻訳ミスが高市首相とトランプ大統領の電話会談という重要なニュースで、河野氏の名前が誤って報じられるという珍事となりました。
時事通信提供のドナルド・トランプ前米大統領の肖像
河野氏の「ビミョ」投稿とSNSの反響
この謝罪を受け、河野氏は11月28日に再びXを更新。「ご丁寧なポストありがとうございました。しかしトランプ大統領と間違えられるのは光栄なのかそうでないのか、ビミョ。」と投稿しました。「ビミョ」という表現には、著名な米大統領と間違えられたことに対する複雑な心境が込められており、彼のユーモラスな人柄が垣間見えます。
この投稿に対して、Xユーザーからは様々なツッコミや共感の声が寄せられました。「河野節最高です ビミョて(笑)」「つまり日本のトランプという意味なんでしょうか 確かにビミョ」「本音ダダ漏れはオモロい」など、河野氏の率直な物言いを評価するコメントが多く見られました。ユーザーたちは、このユニークな状況に対する河野氏の反応を大いに楽しんだようです。
河野氏のSNS活用術:「竹製ですけど」から「河野太郎チャレンジ」まで
河野氏は、Xで積極的にユーザーと交流することで知られています。あるWEBメディア記者は、河野氏のこうした「反応癖」が今回も発揮されたと指摘します。例えば、2019年には韓国外相との握手写真に「金時計をひけらかすな」と批判された際、「竹製ですけど、何か。」と竹製の腕時計の写真付きで反論し、その後も「金時計」と指摘される度に「竹ですけど」と説明する「鉄板ネタ」となりました。
また、河野氏の高いエゴサーチ能力から、本人に見つからずに投稿できるかという「河野太郎チャレンジ」が流行したこともあり、そのSNSでの存在感は際立っています。今回の「トランプ大統領との誤報」に対する反応も、彼のこうした一貫したSNSとの向き合い方を示すものでした。
今回の誤報騒動は、台湾メディアの翻訳ミスから始まったものの、河野太郎氏のXでのユーモラスな対応により、多くの人々に笑顔と話題を提供しました。「風傳媒 台湾ニュース」は改めて河野氏に感謝の意を伝え、今後も良好な関係を築いていきたいとしています。この一件は、政治家の情報発信のあり方と、SNSを通じた意外な交流の可能性を示唆する興味深い事例となりました。





