『聖闘士星矢』生誕40周年記念!新作『THEN II 使命』が描くアテナの新たな戦いと星矢の運命

1985年12月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載を開始した車田正美氏による不朽の名作『聖闘士星矢』が、今年で生誕40周年を迎えます。この記念すべき年に、ファン待望の新作『聖闘士星矢 THEN II 使命』が「チャンピオンRED」(秋田書店)12月19日発売号に掲載されることが発表され、大きな注目を集めています。アテナの聖衣を纏った沙織のイラストと共に「執筆完了」が告げられたこの公式続編は、長年のファンにとってまさに朗報であり、今後の展開に期待が高まっています。

「打ち切り」から「正統続編」へ:連載形態の変遷

一部のファンには、『聖闘士星矢』がジャンプ本誌で「打ち切り」のような形で終了したという認識があるかもしれません。事実、1990年の最終回は、冥王ハーデスとの激闘の最中、星矢がペガサス彗星拳を放ったところで物語が唐突に中断。「冥王ハーデスとの激闘はまだ終わりを告げていない」というメッセージを残し、連載は終了しました。この結末に、当時の多くの読者が疑問を感じたのも無理はありません。しかし、物語の続きは同年創刊された「Vジャンプ」(集英社)にて『聖闘士星矢 完結編』として描かれ、コミックス最終巻に収録される形で正式なエンディングを迎えました。

さらに2006年からは、本編の正統な続編となる『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』が「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)へと舞台を移し、連載がスタートしました。このシリーズは2024年に完結し、同年には後日談となる『聖闘士星矢 THEN 廃墟の花』も掲載されています。そして今回の『聖闘士星矢 THEN II 使命』も、前作と同様にオールカラー8ページの袋とじ形式で発表される予定です。

『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』16巻の表紙イラスト『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』16巻の表紙イラスト

『NEXT DIMENSION 冥王神話』の壮大な物語:過去と現代が交錯する時

『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』は、現代の星矢たちの戦いから遡ること243年前、「前聖戦」の時代を舞台にしています。物語の中心となるのは、“前世の星矢”と称されるペガサスの聖闘士・天馬、その親友でありこの時代のハーデスの依り代となるアローン、そしてこの時代のアテナとなる予定のサーシャという幼なじみ3人です。さらに、後の教皇となるアリエスのシオンや、老師として知られるライブラの童虎も登場し、物語に深みを与えます。

現代において、星矢は胸にハーデスの剣(呪い)が刺さった状態で廃人同然となっており、その呪いは未来のいかなる神の力をもってしても解くことができません。この絶望的な状況を打開するため、アテナ・沙織は時の神クロノスに願い、過去へ遡ってまだ生まれていない赤子のハーデスを倒すか、その剣を破壊することで、歴史そのものを変えようと試みます。

しかし、その行動は新たな問題を引き起こします。過去のアテナ(サーシャ)が降臨できなくなり、次元のバランスが保てず宇宙が崩壊する危機が迫ります。これを受けて、黄金聖闘士たちは沙織の抹殺を企み、そこに氷河、紫龍、一輝といった青銅聖闘士たちも加わり、壮絶な聖闘士同士の戦いやハーデス軍との死闘が繰り広げられます。最終的に、沙織とサーシャの「花の鎖」が共鳴するスーパーパワーによって、星矢はハーデスの剣の呪いから生還。同時に沙織と青銅聖闘士4人は現代へと帰還します。

星矢と沙織、切ない再会と「使命」の意味

現代へと戻ったものの、禁忌を犯したアテナと青銅聖闘士4人は月の女神アルテミスの裁きを受けます。その結果、沙織は神の地位を失い人間となり、星矢もまた記憶を奪われてしまいます。二人はギリシャの街で偶然再会するものの、お互いを思い出すことなくすれ違っていくという、切なくも象徴的な形で『NEXT DIMENSION』は完結しました。星矢と沙織の関係は、「再会したのに気づかずすれ違う」という悲劇的な区切りを迎えたのです。

今回発表された新作『THEN II 使命』は、アテナの聖衣を纏った沙織が登場することから、再びアテナとして立ち上がる沙織の姿が描かれる可能性が高いと考えられます。また、新作のタイトルが「使命」である点を踏まえると、アテナとしての彼女の役割が改めて語られ、記憶を失った星矢との関係にも新たな意味が与えられるストーリー展開が期待されます。

『NEXT DIMENSION』が完結した今、次の物語が描かれるかどうかは車田正美氏のみが知るところですが、『THEN II 使命』が「序章」として、この先新たなシリーズが発表されるようなことがあれば、ジャンプ時代からのファンを巻き込み、『聖闘士星矢』生誕40周年がさらに大きな盛り上がりを見せることは間違いないでしょう。今後の続報に注目が集まります。

参考資料:

  • Yahoo!ニュース (realsound.jp) 「『聖闘士星矢』生誕40周年、新作『THEN II 使命』に高まる期待 連載が「打ち切り」だったと知るファンも」