中東・南アジアで新プロ野球リーグ「ベースボール・ユナイテッド」開幕!元メジャーリーガーが牽引する新潮流

日本シリーズの興奮が冷めやらぬ中、野球ファンの注目は来春のWBCへと移りつつありますが、実は2025年11月、日米トップクラスの選手が結集する新たなプロ野球リーグが中東と南アジアで開幕したことをご存知でしょうか。その名は「ベースボール・ユナイテッド(Baseball United)」。この国際的なリーグは、野球界に新たな動きをもたらし、特に日本を含むアジア地域の関心を集めています。

「ベースボール・ユナイテッド」設立の背景と主要人物

「ベースボール・ユナイテッド」プロジェクトは、2022年にその産声を上げました。発起人として名を連ねるのは、ヤンキースで歴代最多の652セーブを記録し、2019年には史上初の「満票」で野球殿堂入りを果たしたマリアノ・リベラ氏、そして同じく殿堂入りした内野手バリー・ラーキン氏といったメジャーリーグのレジェンドたちです。さらに、2023年にはエイドリアン・ベルトレ氏などのスター選手も共同オーナーとして加わり、このリーグの基盤を強固なものにしています。彼らの経験と実績が、リーグの信頼性と専門性を裏付ける重要な要素となっています。

2023年11月にはドバイで「ショーケース」と称するエキシビションゲームを実施し、翌2024年11月にはアラブ諸国のリーグ戦「アラブクラシック」を開催するなど、着実に準備を進めてきました。

リーグの構成とビジネスモデル

そして2025年11月、ついに初のリーグ戦が始まりました。参加するのは、ムンバイ・コブラス(インド)、カラチ・モナークス(パキスタン)、アラビア・ウルブズ(アラブ首長国連邦=UAE、ドバイ)、ミッドイースト・ファルコンズ(アラブ首長国連邦、アブダビ)の4チームです。このリーグは中東と南アジアを拠点とし、地域に野球を根付かせ、発展させることを目指しています。

ベースボール・ユナイテッドの試合で打席に立つ川﨑宗則選手ベースボール・ユナイテッドの試合で打席に立つ川﨑宗則選手

この新たなプロ野球リーグの意図やビジネスモデルについて、日本事業部代表を務める山村千晴シニア・ディレクターが語っています。資金面では「ドバイだからオイルマネーが入っているのかと質問されることもありますが、出資者はマリアノ・リベラやバリー・ラーキンといったメジャーリーグのレジェンドプレイヤーたちです」と説明。彼らが自ら出資者となってリーグを立ち上げたことが強調されました。山村氏は、ジェトロ(日本貿易振興機構)出身で、ナイジェリアやUAEのドバイでの経済リサーチ経験を持ち、2025年6月にスタッフとして加わっています。

アジア野球界への影響と今後の展望

「ベースボール・ユナイテッド」の設立は、中東・南アジア地域における野球の普及と発展に大きく貢献することが期待されます。メジャーリーグのレジェンドたちが牽引し、自ら資金を投じることで、このリーグは高い専門性と信頼性を確保しています。将来的には、アジア全体の野球レベル向上や新たなスター選手の輩出にも繋がる可能性を秘めており、世界の野球地図にどのような変化をもたらすのか、その動向から目が離せません。