かんぽ生命の保険販売業務 3カ月停止を検討 金融庁





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 かんぽ生命保険と日本郵便による保険の不適切販売問題で、金融庁が両社の内部管理体制に重大な問題があったとして、新規の保険販売業務を3カ月間停止する案を軸に行政処分を検討していることが21日、分かった。処分は27日にも行われる見通し。

 金融庁と総務省は、両社の親会社である日本郵政に対して報告徴求命令を出した。出された報告を吟味した上で最終的な処分を決める。日本郵政に対しても、業務改善命令を出す見通し。

 金融庁は13日に約3カ月間に及ぶ立ち入り検査を終えた。不適切販売の背景に経営陣が現場の実態を把握できていないなど、ガバナンス(企業統治)の問題があるとみており、こうした問題が解消されないまま業務を継続させれば、顧客に対しさらなる不利益が生じる可能性があり、業務停止は不可避と判断した。

 両社をめぐっては保険料を二重払いさせるなど、顧客に不利益をもたらすような販売が横行していたことが発覚。18日には、日本郵政グループが過去5年で法令や社内規定違反の疑いがある契約が1万3千件近くあったとする社内調査結果を公表した。

 社内調査は今後も続けることから不適切販売が膨らむ可能性もあり、金融庁内には3カ月間の業務停止では不十分との見方もある。

 かんぽ生命は現在、かんぽ商品の販売を自粛しており、来年1月の再開を目指していたが、金融庁の処分が出れば再開は大幅にずれ込むことになる。

 金融庁とは別に、総務省も日本郵政に行政処分を出す。

 高市早苗総務相は20日、鈴木茂樹総務事務次官が処分案の検討状況を日本郵政側に漏らしたとして停職3カ月の懲戒処分にしたと発表。鈴木氏は20日付で辞職して事実上の更迭となった。



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