坂根正弘・武田薬品工業取締役会議長 買収成功の鍵「国が違っても浪花節好む」

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 武田薬品工業の坂根正弘取締役会議長は27日までに産経新聞のインタビューに応じ、今年1月に完了したアイルランド製薬大手シャイアー買収について「米国での地位を向上させられる」と意義を強調した。買収額は日本企業で過去最大となる約6兆2000億円にのぼり、一部で高値づかみとの批判も出たが、坂根氏は「検討を重ねた上で出した(買収)価格に収まっていた」とそうした見方を否定。両社の融合や従業員の一体化を進め、「真の『ワン タケダ』を早く作り上げること」が買収成功のカギを握っているとした。坂根氏との一問一答は次の通り。

 --平成26年に武田の社外取締役となり、現在は取締役会議長も務めている

 「就任前は超優良企業だと思っていたのに、製薬業界での売り上げ規模が世界18位程度と知って驚いた。私はコマツでそこそこのモノをつくる平均点主義や、自分たちで何でもできると思い上がる自前主義と決別し、世界でトップになれそうにないものは全部やめると宣言した。武田も以前のコマツと同じでいろんなことを手掛けていて、何でも自分でできると思い込んでいた。そこで注力分野を絞るべきだと指摘し、がんと消化器系、中枢神経系の3分野およびワクチンに絞り込んだ。研究開発は大半を米国に集中し、日本は中枢神経系と、山中伸弥京大教授との人工多能性幹細胞(iPS細胞)の共同研究などオープンイノベーションに集中することにした」

 --シャイアー買収の経緯は

 「29年の最後くらいに(内部で)買収話が出て、30年3月末に報道された。英国の規制で、一度噂になったら武田がシャイアーのこういう部分に関心もっているとか一切、言えない。それで5月までに事実上、買収の決着をつけようと決心した」

 --買収の決め手は

 「武田は米国での地位が極めて低かった。研究開発の大半を米国に移したものの、人材を確保し続けられるかという心配もあった。一方、シャイアーは売上高の約6割が米国。両社が統合されれば、米国が売上高の半分近くを占める。それに私は、製薬業界で繰り広げられていたM&A(企業の合併・買収)合戦に疑問を持ち始めていた。大手は有望な新薬候補を持つベンチャーが出るたびに巨額買収を繰り返している。だが、私は治療法が確立されていないテーマに挑戦することこそが、製薬会社本来の役割ではないかと思っていた。シャイアーはまさにそんな本来の役割を追求する企業だった」

 --経営陣の意見は割れなかったのか

 「取締役の半分を占める外国人は製薬業界にかかわりの深い人が多く、最初から前向きだった。これに対し、日本人の社外取締役の多くは異分野の人たち。私も最初は極めて消極的で、重点3分野に集中すべきだとの意見だった。シャイアーは売り上げの約6割を希少疾患分野が占める。せっかく分野を絞り込んだのに、なぜ事業内容が違う会社に手を出すんだという意見も出た」

 --買収額はけた外れ。尻込みしなかったのか

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