政府税調が新体制始動 老後資産、働き方対応議論





政府税制調査会で中里実会長(左)に諮問する安倍晋三首相=10日午前、首相官邸(春名中撮影)

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は10日、首相官邸で総会を開いた。昨年9月の委員の任期満了に伴い、新体制が始動。「人生100年時代」を見据え、老後の資産形成を支える私的年金の在り方や、働き方の多様化に対応した公平な税制の議論を本格化させる。

 老後の備えを後押しする制度には、公的年金を土台に、企業年金といった私的年金や財形貯蓄など多様な仕組みがある。ただ大企業の従業員は多くの制度を利用できるが、近年増加するフリーランスらには不利だと指摘されている。海外には職業にかかわらず、個人単位で非課税の拠出枠を設けている国もあり、日本でも同様の仕組みが可能かどうか検討する。

 退職金にかかる所得税は勤続20年を超えると控除が大きく増え、同じ企業に勤め続ける人に有利な仕組みとなっている。転職の増加など働き方の幅が広がっていることを踏まえ、退職金への課税方式の見直しも議論する見通しだ。



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