内閣府が10日発表した昨年11月の景気動向指数(平成27年=100、速報値)は、景気の現状を示す一致指数が前月比0・2ポイント低い95・1で、小幅ながら2カ月連続で低下した。25年2月(93・8)以来6年9カ月ぶりの低水準となる。一致指数の推移から機械的に導き出される基調判断は、景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に据え置いた。悪化は4カ月連続。
基調判断で悪化が4カ月連続となるのは、旧民主党から自民党への政権交代を挟んだ24年10月~25年1月以来6年10カ月ぶりだ。
一致指数を構成する9つの指標のうち速報段階で入手できるのは7つだが、11月は前月の台風被害の影響もあり製造業関連の指標が振るわず、有効求人倍率も押し下げにつながった。
基調判断は、昨年3月に悪化へと6年2カ月ぶりに引き下げられ、4月まで続いた。5~7月は「下げ止まり」となったが、8月には悪化に逆戻りした。第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「12月も『悪化』判断が継続することは確実」と指摘する。
政府としての正式な景気判断は、毎月の月例経済報告で示される。直近の12月の月例報告は「緩やかに回復している」との骨格は維持したが、「輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増している」として、11月の「輸出を中心に弱さが長引いている」から表現ぶりを下方修正。景気動向指数の基調判断で悪化が4カ月連続となり、今後の月例報告での景気判断が注目される。